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DHA・EPAの特徴を知ろう

健康管理士一般指導員の國重です。
ちょっと知るだけで、健康につながる情報をお届けいたします。

今回は、DHA・EPAのお話です。

DHA・EPAは「オメガ3」という必須脂肪酸ですが、オメガ3を多く含む食材については種類が少なく、意識しないと必要量に届きません。
それに対して、べに花油やごま油で料理によく使われている「オメガ6」はわざわざ油脂で摂らなくてもナッツや肉類など普通に食材で摂れます。

オメガ3が摂れる食材は寒冷地に多く、アマニもえごまも発祥は寒冷地、お魚は海、というように寒いところでも凍らない油脂ですが、食材では摂りにくいので、サバ缶がおすすめです♪

■DHA・EPAの前回のおさらい

● DHA・EPAは必須脂肪酸であり食事で摂るしかない。
● 炎症体質(皮膚炎・胃炎・肝炎・鼻炎などの慢性炎症がある)の体質改善にDHA・EPAが炎症を抑えてくれる。
● DHA・EPAが細胞膜を柔らかくし、酸素や栄養を細胞内に取り込みやすくしてくれる。
● DHA・EPAは貯蔵脂肪にならないため余った脂肪は熱として処理され、DHA・EPAが摂れる食事は体温を上げてくれる。
● DHA・EPAを上手に利用するにはオメガ6の油分を減らす

■脳内の健康にDHA・EPA

DHAもEPAも体内で合成することが出来ません。
そのため、食事で摂ることが必要な必須脂肪酸になります。

脳は水分を除くと60%が脂質(細胞膜にあります)になりますが、その内の多くがDHAになります。
ちなみにEPAは0.1%なのです!

DHAは神経細胞リン脂質の構成成分になります。
正常な脳の発達や視力を維持するのに、極めて重要な脂肪酸になります。

DHAの欠乏は、加齢に伴う脳機能異常、アルツハイマー病、うつ病などを誘発し、認知・学習機能を低下させてしまいます。

DHAとは異なり、EPAは脳血管関門を通過できないので、脳の機能には関与しないと考えられてきました。
しかしEPAには炎症を抑え、脳を抗酸化作用によって守り、意欲の低下やうつ症状などの脳のダメージには有効に働いているのではないかと考えられています。

実際にうつ症状には、DHAだけよりもDHA+EPAのサプリのほうがスコアの改善が見られたそうです。
また、認知能力(記憶力、言語能力、注意力、問題解決力、判断能力など情報を処理するために必要な能力)の向上にも役立つそうです。

脂質の酸化は脳にダメージを与えます。
それに対してDHA・EPAは抗酸化物質として、大脳皮質や海馬などの領域で過酸化脂質を軽減して、酸化ストレスから神経細胞を守ってくれるのです。

このようにDHA・EPAはお互いに補いながら、脳血栓などの血管トラブルのリスクを軽減することがでるのです。
また、中性脂肪にはEPA、コレステロールにはDHAの効果が高いといわれています。

やはり、DHAとEPAは両方一緒に摂ることがおススメです。

■脂肪肝が気になる方にも

健康診断で肝臓の数値が気になる方は、DHA・EPAの効果がある可能性「大」です。

脂肪肝はいわゆるエネルギーが余ることで中性脂肪が増えてしまい、肝臓で処理できなくなる現象です。
肝機能の数値が高くなっていることで、要観察でも腹部エコーをとると肝臓が白く写ります。
肝臓の表面に脂肪が付着しているのです。

非アルコール性の脂肪肝のラットのうち、EPAが含まれる食事をしたラットと同じ脂肪量と同じエネルギー量の食事をさせたラットを比較したところ、EPAが含まれる食事をしたラットの方が肝臓での中性脂肪の蓄積が抑制されたという研究結果があります。

ちなみに、中性脂肪は脂肪酸だけでなくグルコース(単純な糖のこと)の飽和(最大上限いっぱいのこと)によっても増大し中性脂肪として肝臓に蓄えられます。

DHA・EPAは二重結合の数が多く融点が低いため、体内では常に液体です。そのため、DHA・EPAを含むオメガ3のオイルは貯蔵脂肪にはなりにくいのです。

多量にオメガ3オイルを多く摂ったとしても肝臓などに蓄積し、他のオイルよりも優先的に熱やエネルギーに変えていきます。
脂肪肝対策のポイントは、糖質を控え、オイルを変える、体重を減らすことです!

まとめ

・DHAもEPAも体内で合成することが出来ないため、食事で摂ることが必要
・DHA・EPAは脳血栓などの血管トラブルのリスクを軽減する
・中性脂肪にはEPA、コレステロールにはDHAの効果が高い
・健康診断で肝臓の数値が気になる方は、DHA・EPAの効果がある可能性大
・脂肪肝対策のポイントは、糖質を控える・オイルを変える・体重を減らす

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