利き酒は誰にでもできる!コツを伝授
にほん酒はじめ 講義5|講師:葉石かおり
利き酒は誰にでもできる!コツを伝授
ネットや雑誌などで、プロの方が神妙な顔をしておちょこを持って利き酒している写真を見ると、「わ、利き酒ってなんだか難しそう…」と思う方が多いのではないでしょうか?
もちろん、日本酒を鑑定するプロの方のように専門的に利き酒をして、お酒のジャッジをするのはホントに大変です。
私も何度か蔵元や蔵人だけが受講できる利き酒などを含むプロフェッショナルのセミナーに参加したことがあります。
そのお酒に含まれる特有の成分の比率や、製造過程で日本酒につきやすい劣化した香りを当てたりする利き酒があるんですが、それはもう難しいなんてもんじゃない。
「当たるまで教室を出られない」というのも恐怖(笑)で、必死になって利き酒しました。何とか教室を出ることはできましたが、ビリから数えたほうが早かったです(遠い目)。
そうしたプロ向けの利き酒は難しいけれど、香りや味わいを楽しむ利き酒ならどなたにもできます。利き酒ができるようになると、そのお酒がどういうタイプかがわかるようになります。
例えば 「果物のような風味や甘味を感じるなら」フルーティタイプ、「香りは穏やかで軽いタッチなら」軽快タイプ、「お米の旨味がたっぷりのボリュームがあるしっかりした味わいなら」旨口タイプといった風です。
ではここで簡単な利き酒の方法をご紹介しますね。
まず香水やボディスプレーなど、香料の強いものをつけていないかをチェックしてください。柔軟剤なども利き酒の邪魔になります。
大丈夫であれば、ワイングラスと日本酒をご用意ください。
日本酒は冷え冷えだと香りが立ちにくいので、できれば常温になるまで温度を上げておくことをおすすめします。それでは利き酒をスタートしてみましょう。
【利き酒レッスン】
①ワイングラスに日本酒を注ぐ。グラスが一番膨らんでいる部分から1cm程度下くらいまでが適量。あまり多いと香りが立ちにくいので注意。ワイングラスを使う理由は、香りが立ちやすいから。口径がややすぼまっていて、深さがあるので、お酒本来が持つ香りをしっかりとキャッチすることができます。
②まず色合いをみます。無色透明なのか、ほんのり色がついているかをチェックします。濾過をあまりしていないお酒は、ほんのり色がついています。
③ワイングラスを傾け、再び真っすぐの位置に戻します。グラスの側面についたお酒が、どう落ちてゆくかをチェック。ゆっくりと落ちてゆくお酒ほど粘性が高い傾向にあります。粘性が高いお酒は口に含むと滑らかに感じます。
④次に香りをチェック。ワイングラスを机に置き、軽くくるくると回します。これをスワリングと言います。その後、グラスに鼻を近づけ、香りを嗅いでください。自分の言葉でいいので、どんな香り(例:メロンやリンゴなど)するか、想像してみると楽しいですよ。
⑤そして味をチェック。いっぺんに数百のお酒を利き酒するプロは毎回吐き出しますが、ご家庭で利き酒を行う時はもったいない(笑)ので、飲み込んでしまいましょう。たっぷりの量ではなく、舌の中心をお酒が流れるようなイメージで少量を口に含んでください。どんなタイプに分類されるのか、自分なりに考えてみましょう。
⑥余韻をチェック。喉を通った後、舌にお酒の存在感が残っているか、またはキレイにさっぱりとなくなっているかをチェックしてみましょう。
簡易な利き酒方法ですが、これだけでも十分にお酒の味わいや香りがわかります。コツがわかってくると、さらに楽しくなってきます。
利き酒ノートを作って記入を続けていけば、世界に一つしかないあなたの本になりますよね。
ぜひおうちで試してみてください。
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講師プロフィール
酒ジャーナリスト、エッセイスト
一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション理事長
葉石 かおり(はいし かおり)
講師インフォメーション
▼著書 「名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義」
講座のイラストを制作されているのは藤井昌子さんです。
素敵なイラストをたくさん制作されています。
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イラストレーター 藤井 昌子 ホームページ
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