水をいっしょに飲んで悪酔いをブロック!
にほん酒はじめ 講義2|講師:葉石かおり
水をいっしょに飲んで悪酔いをブロック!
「日本酒を飲むと悪酔いする」
日本酒セミナーをしていると、こんな声を良く耳にします。
そうした声を上げる中心層が、バブルを経験した50代の皆さん。そう、ちょうど私と同年代の方が多いのです。前回もお話しましたが、私たちバブル世代の中には、罰ゲームに日本酒を無理やり飲まされた方もいて、それがトラウマとなって、日本酒に手を出さなくなっている方が思ったよりも多いのです。
はい、私もそうでした。
そんな皆さんに朗報です。翌日に残らない、そして日本酒よりおいしく飲める方法があるのです。
それが「和らぎ水」です。
「和らぎ水」とは日本酒造組合中央会によって命名された名前で、日本酒と一緒に飲む水のことを指します。ただのお水というより、雅でステキですよね。同会では日本酒と和らぎ水を同等、もしくはそれ以上飲むことを推奨しています。
初めてこの名前を聞く方も多いかもしれませんが、ここでだいぶ定着し、日本酒専門店をはじめとする、日本酒の揃えがいいお店ですと、こちらが何も言わなくても、日本酒と一緒に和らぎ水が提供されます。
日本酒と一緒にただお水を飲むだけで悪酔いが防げる。
何だか夢のような話で、冒頭のトラウマを持った方ですと、キツネにつままれているように思うかもしれませんが、実は医学的にもきちんと裏付けがあるのです。
日本酒に限ったことではありませんが、アルコールを飲むとトイレがやたら近くなったり、いつも以上に喉が渇いたりしませんか?これはどちらもアルコールの作用によるものです。
ちょっと専門的なお話になりますが、ホンの少しお耳を拝借。
アルコールには抗利尿ホルモンを抑制する作用があり、それによってトイレに行く回数が増えてしまうのです。トイレに行く回数が増えてしまうのですから、それだけカラダの水分も奪われてしまいますよね。喉が渇くのはそのためです。つまりアルコールを飲むと、カラダが脱水症状になってしまうのです。実はこの脱水症状が非常に危険で、なおかつ翌日の喉の渇き、頭痛といった不調を引き起こす大きな原因の一つなのです。それを防いでくれるのが、和らぎ水なのです。
特に日本酒の場合、ビールやサワーなどと比べ、アルコール度数が高く、口当たりがいいため、飲み過ぎてしまいがちです。日本酒を飲む合間に和らぎ水を飲めば、アルコールの作用による脱水を防げるというわけです。
さらに嬉しいのは、和らぎ水を飲むことによって、体内のアルコール濃度が下がるので、急激に酔っぱらうことも防げるのです。
そしてまた和らぎ水の効能は、健康面だけではありません。日本酒を飲んでいる合間に和らぎ水を飲むと、口の中がリセットされ、次に日本酒を口にする時、より一層おいしく感じることができるのです。
おすすめの飲み方は常温。氷入りの冷たい和らぎ水のほうがスッキリするのですが、内臓を冷やし、代謝を鈍らせてしまうので、できるだけ常温で飲むように心がけましょう。
私自身、日本酒を飲む時は必ず和らぎ水を飲むようにしています。若い頃は「水を飲むなんて邪道」と強がり、水を一切口にしなかったので、失敗ばっかりしていました。しかし和らぎ水を飲むことが習慣になった今、日本酒を飲んで二日酔いになるということはまずありません。バブル時代に幾度となく日本酒で二日酔いを繰り返し、「日本酒は二度と飲まない」とまで言っていた私が言うのですから、間違いありません。百聞は一見に如かず。まずは試してみてくださいね。
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<酒にまつわるエトセトラ>
各酒蔵では敷地内の地下水や、独自の経路で入手した水を仕込み水としてお酒造りに使用しています。
この写真は長崎県壱岐市にある「よこやま」という日本酒を造っている重家酒造で撮影。
島内で理想の水が湧く敷地を探し求め、今の場所に行きつきました。
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講師プロフィール
酒ジャーナリスト、エッセイスト
一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション理事長
葉石 かおり(はいし かおり)
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