大人ダイエットの基本は血糖値コントロール
オトナ世代のダイエット講座 講義2|講師:岸村 康代
大人ダイエットの基本は血糖値コントロール
さて、50代以上のオトナ世代がダイエットをする中で最も大切なのはなんだと思いますか?
適度な運動?それとも間食の禁止?
実は、一番大切なことは、血糖値のコントロールなんです。
「糖尿病ではないから血糖値なんて関係ないわ」という方も、大人のダイエットの肝は、「血糖値コントロール」と覚えてくださいね。
「なんだか難しそうね」という方でも大丈夫です。
野菜の助けを借りれば、簡単に血糖値がコントロールできます。
今回は、野菜の働きと、そのパワーをどのように効果的に活かすか、ということについて具体的にお伝えしていきます。
血糖値を上げないためには?
野菜には体に必要な栄養素がぎゅっと詰まっています。
さらに私たちにとって、嬉しい働きも。
そのひとつが、血糖値の急上昇を防ぐということです。
血糖値とは、血液中にあるブドウ糖の濃度をさすことはご存じの方も多いかと思います。
人間ドックなど、定期検診で測った血糖値が高く、気にしているという方も多いのではないでしょうか?
私たちは、血糖値が高い時に満腹感を、低い時に空腹を感じます。
糖質(白米、麺、パン、精製された砂糖が主原料のお菓子、飲料など)を空腹時に食べると、面白いほど急激に血糖値がポンと跳ね上がります。
すると体内では、血糖値を下げるためのインスリンというホルモンが大量に分泌され、その働きで血糖値は急降下します。
すると体が血糖値の低下を飢餓状態と判断し、手っ取り早く血糖値を上げることができる糖質を猛烈に欲します。
つまり、この仕組みのせいでご飯を食べてもすぐにお腹が空き、また食べるという繰り返しに陥ってしまうのです。
“食べても食べてもお腹が空く”という人は要注意。このスパイラルに陥っている可能性があります。
この負のスパイラルの救世主が、野菜です。
一つ目の野菜の嬉しい働き。
それは、糖質の少ない野菜や食物繊維の多い野菜をひと口目に食べることで、血糖値が穏やかに上昇し、正常な満腹感を得ることができること。
さらに、「セカンドミール効果」というおまけもついてきます。
「セカンドミール効果」とは、野菜などの食物繊維が豊富なものを摂っておくと、その次の食事でも血糖値が上がりにくくなるという、とても嬉しい効果のこと。
健康のためにダイエットをするのなら毎食の最初のひと口は野菜から。
ぜひ習慣にしてくださいね。
食べ過ぎた時のリセット方法とは?
二つ目の野菜の嬉しい働き。
それはダイエットに欠かせない「リセット」作用です。
具体的には、野菜に含まれる食物繊維が、脂質や糖質などの余分なものを体に吸収されにくくしたり、体外へ排出するように促します。
食物繊維が豊富な野菜の代表格は、ごぼう、オクラ、枝豆などです。
でも、たいていの野菜に食物繊維は含まれていますから、ごぼうばかり食べなくても大丈夫です。
これらの野菜は、「食べ過ぎてしまった」と思った時に食べる習慣をつけましょう。
揚げ物やジャンクフード、甘いものをたくさん食べた日、またはその翌日です。
脂肪候補となる余分なものを、野菜のパワーで体外に排出してしまいましょう。
ポイントは、シャワーを浴びるように野菜を摂ること。
野菜は極上の「リセットフード」であることを覚えておいてくださいね。
さて次に、食事に合わせた効果的な食べ方、具体的なリセット方法をご紹介しましょう。
脂質・糖質を撃退!効果的な4つの食べ方リセット術
1. 揚げ物が食べたい場合のリセット術
トンカツなどの揚げ物は、添え物のキャベツの千切りから食べる。(キャベツには消化器官を守るビタミンUが豊富、脂肪の吸収を抑える働きもある)
ご飯の量を減らして汁物をプラスすればなおよし。
2. 焼肉を食べたい場合のリセット術
焼肉はサンチュで巻いて食べる。
ステーキは付け合わせのクレソンやパセリまで食べる。(脂肪の代謝をサポートするビタミンB2が豊富)
3. 炭水化物を食べたい場合のリセット術
パスタは食物繊維豊富なキノコ類を多くトッピングする。
ラーメンにはほうれん草、メンマ、わかめ(塩分の排出も促す)をトッピングして具だくさんに!
4. 甘いものを食べたい場合の糖質リセット術
ケーキの前には、豆乳やトマトジュースを飲む。(血糖値をゆるやかに上げ、脂肪代謝を促す成分が豊富)
おやつは「ふすま」(小麦の外皮部分)を使ったクッキーなどを選ぶ。(ふすまはその成分のほとんどが食物繊維だといわれる最高峰のリセット食材)
次は、野菜のリセット術の応用編です。
毎日の食事を、理想的なバランスに近づけていきましょう。
太りにくいランチの選び方とは?
皆さんは、こんなランチを食べた経験はありませんか?
パスタ+バゲット
ラーメン+半チャーハン
外出先だと当たり前のようなメニューですが、主食(糖質)に偏っています。
この茶色っぽい、主食を重ねて食べる糖質中心の献立を「同族食い」と呼びます。
「同族食い」には、糖質が多く含まれ、血糖値にとっても危険信号が点滅。このような時は、「一番食べたいもの」を軸にアレンジしましょう。
たとえば、ラーメンがどうしても食べたい時には、チャーハンではなく、八宝菜など野菜の小鉢を添えたり、メンマや野菜のトッピングで具沢山にして具から食べるとリセット力も上がります。
少し工夫することで、余分なものはリセットしながら、「一番食べたいもの」を我慢せずに楽しんでいきましょう!
岸村式ベジタブル・レシピ
パスタを食べた気分になれる!『にんじんナポリタン』
麺が食べたい時に、野菜で置き換えてみましょう。しっかり味付けすることで、たっぷりおいしくいただけます。
『にんじんナポリタン』
<材料>
にんじん・・・1本
ウインナー・・・1本
塩・・・少々
ナポリタンソース・・・適量
ピーマン・・・1個
オリーブオイル・・・小さじ1
<作り方>
1. にんじんはピーラーで細くスライスし、耐熱器に入れてラップをして電子レンジ500wに2~3分ほどかけ、温かいうちに軽く塩をまぶす。
2. フライパンにオリーブオイルを入れて細切りにしたピーマンと薄切りにしたウインナーを炒め、1を加えてさらに炒め、ナポリタンソースを加えて炒め合わせる。
3. 器によそって、できあがり!
ぜひ、皆さん実践してみてくださいね♪
次回はいよいよ、実践編です。お楽しみに!
※ ダイエットには個人差があります。
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講師プロフィール
一般社団法人大人のダイエット研究所 代表理事
フードプランナー
管理栄養士
岸村 康代(きしむら・やすよ)
講師インフォメーション
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