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お正月に飲みたい日本酒

にほん酒はじめ 講義12|講師:葉石かおり
お正月に飲みたい日本酒

お正月と言えば日本酒 ←「いや、お正月だけではないだろ」というつっこみはさておき、おめでたい年明けはやっぱり日本酒を飲みたいですよね。それもちょっと特別感があるいい日本酒を。

お正月に飲みたいおすすめ日本酒

我が家がお正月にいつも開けるのが「獺祭 元旦届け 磨き二割三分 遠心分離」です。
「獺祭」というと有名ブランドで入手もしやすい銘柄ですが、こちらは年末年始に予約だけで販売される特別な限定酒なんです。
しかも火入れをしない生酒。「獺祭」を醸す旭酒造の最高峰の技術を使って、搾りたてのフレッシュな味わいをそのままいただけるという、何とも贅沢なお酒なんです。

味わいを一言で言うと「究極の透明感」。
グラスに注いだ瞬間メロンのような香りが立ち、口に含むとシャインマスカットを思わせるジューシーな味わいが広がります。
何と言いますか、「一切の雑味を排除し、いいところだけを集めた」味なんですよね。
お米の旨味、甘味もきちんとあるし、それでいてキレもいい。ワイングラスでいただくと、それはもう幸せが空から降ってくる気分になります。

こちらのお酒は「獺祭」を扱う酒販店でのご予約となります。
ネット検索していただくと、ウェブで販売されているところも。お見逃しなく。

お正月向けの季節限定酒は、さまざまな蔵で出されています。
贔屓筋の蔵があれば、そちらも合わせてチェックしてみてくださいね。

お節料理とのペアリングは?

さて、ゴージャスなお酒を用意したら、お節とのペアリングも考察してみましょう。
ペアリングの基本ルールは濃い味には濃い味のお酒をといった具合に、「お酒と料理の味の濃淡を合わせる」こと。

日持ちを考えて作られたお節は、基本的に味が濃いものが多く、基本的には旨口系のお酒が合います。
先に紹介したお酒はフルーティタイプ。メインディッシュと合わせるというより、乾杯酒として軽い前菜などと合わせるのがオススメです。
煮物系と合わせるなら、「神亀」(埼玉県)、「十字旭」(島根県)など純米系のしっかりした味が向きます。
せっかくのお正月ですから、2~3種類お酒を用意して、あれこれ楽しまれてはいかがでしょう?

今はお節も多様化し、中華、洋風など色々なタイプがあります。
ペアリングの基本ルールをベースに、自分なりのペアリングを発見するのもまた楽しいですよ。

かずのこでお酒ゲーム!?

ここでちょっと家族が集まるお正月だからこそ、お試しいただきたい「お酒ゲーム」があります。
用意するのはお節にも入っているかずのこ、そして日本酒と白ワインです。

まず初めにかずのこを食べ、その後に白ワインを飲んでみてください。
どうですか?一瞬にしておいしいかずのこが生臭くなりますよね。
これは、かずのこなど魚卵に含まれる過酸化脂質が白ワインに含まれる二価鉄イオンによって、酸化が促進されたからです。

次にかずのこを食べた後、日本酒を飲んでみましょう。
どうですか?どちらもおいしくいただけますよね。
これが日本酒が持つアミノ酸パワーなのです。
日本酒に含まれる豊富なアミノ酸は、魚卵の過酸化脂質の酸化を抑制する作用があります。
それ故に生臭みも感じることなく、お酒もおつまみもおいしくいただけるのです。

これを試すと、大概の方が「おお~」と歓声をあげられます。
ちょっとしたゲームにもなるので、家族やお友達とともにぜひトライしてみてくださいね。

間もなくお正月。皆さまにとって、素晴らしい一年のスタートになるよう、心から祈念しております。

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講師プロフィール

酒ジャーナリスト、エッセイスト
一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション理事長
葉石 かおり(はいし かおり)

ラジオレポーター、女性週刊誌の記者を経て現職に。
全国の酒蔵を巡り、各メディアにコラム、コメントを寄せる。
2015年、一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーションを設立。
国内外で日本酒の伝道師であるサケ・エキスパートを育成する。
「酒好き医師が教える最高の飲み方」(日経BP社)がベストセラーに。
近著に「日本酒のペアリングがよくわかる本」、「焼酎マニアックBOOK」などがある。
NHK「ごごナマ」、NHK Eテレ「日本酒のいろは」などに出演。
連載に「左党の一分」(日経good day)、「酒な屋」(朝日新聞)、「イケメン蔵元」(わん酒)など。

講師インフォメーション

一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション

葉石かおりオフィシャルサイト

著書 「名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義」

著書 「酒好き医師が教える 最高の飲み方」 日経BP

著書「日本酒のペアリングがよくわかる本」

イラストレーター 藤井 昌子 ホームページ


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