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「離婚準備」8つの心得

ココカラ夫婦物語 講義13|講師:高草木 陽光
「離婚準備」8つの心得

実は、日本の離婚件数は年間を通じて3月が一番多いというのをご存知でしょうか?
大きな理由として考えられるのは、4月の年度始めに向けて何かと都合がいいからです。

たとえば、親が離婚したあと子どもの姓が変わることも多いため、特に未成年のお子さんをおもちの方は、新学期に向けて3月の年度末までに諸々の手続きを終わらせておきたいと考える人たちが少なくありません。

また、そのような人たちは、実際に「離婚」という行動に移すまで、ある程度の月日を費やしているものです。

そこで今回は、「離婚したい」と真剣に考えている人へ向けて、「離婚準備と8つの心得」に付いてお伝えさせていただきます。

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離婚準備と8つの心得

1:情報収集とシミュレーション

離婚を決めたからには、情報収集は必要不可欠です。
情報や知識を何も得ないうちに、感情的に離婚を言い出したり、進めたりすることは得策ではありません。

まずは、離婚を経験したことがある友達や知人などに話を聞いたり、ネットや書籍などで必要な情報を集めたりすることから始めてみましょう。
また、当然ですが離婚は自分1人の意思でできることではありません。
相手との合意を得る必要があるため、計画通りに「離婚成立」となるとは限らないのです。

従って、場合によっては“長期戦”を覚悟しておく必要もあります。
そのためには、さまざまな「もしも」を想定しながら今後起こり得る状況をシミュレーションしておくといいでしょう。

2:夫への離婚宣言のタイミングを考えて行動する

何も準備していないうちに夫(妻)へ離婚宣言をした場合、夫婦関係の悪化度合いによっては、共有財産を隠されてしまったり、自分に不利な事柄を隠すために先回りされて“なかったこと”にされたりするケースも実際に起こっています。

そうなると、財産分与の金額に大きな違いが生じたり、本来請求できる養育費の目安よりも少なくなってしまったりすることもあります。
また、仮に相手が不倫をしていたりDV加害者だったり、離婚の原因をつくった「有責配偶者」だった場合、離婚を宣言するタイミングを見誤ると、証拠の確保が難しくなる可能性があります。

離婚を言い出すタイミングは、ある程度準備が整ってからにしましょう。

3:安定した収入を確保するための職に就く

離婚を心に決めても、なかなか次の行動に移せない理由の1つが「経済的な不安」です。(特に女性の場合)
専業主婦だけではなく、フルタイムで仕事をしている人であっても、この不安は付きまとうものです。
しかし、実際にはパートをしながらでも子どもを立派に育て上げてしまう女性が多いことに驚かされます。

そう考えると、正社員にこだわる必要はなく、第一ステップとして「とにかく収入源を得る」ということが大事です。
理想とする収入を得ることが難しい場合でも、両親や兄弟、友達など“協力者”を増やすことで、育児のサポートをしてもらったり食料を送ってもらったりしている人もいます。

お金も大事ですが、離婚後の生活を少しでも楽にするためにはお金以外に“人に甘えること”もとても大事であり、実際に「精神的にも経済的にも助かっている」と仰っている人が少なくありません。

4:離婚後にもらえる「手当」を調べておく

離婚後にもらえる助成金や手当には、さまざまなものがあります。

しかし、離婚後に自動的に受け取れるわけではないので、手続きの仕方や受け取り方をしっかりと事前にリサーチしておきましょう。
自治体ごとに特別な手当が受けられる場合もありますので、市区町村役場に直接問い合わせてみたり、ホームページで確認してみたりしてみてください。

5:子どもへの伝え方とタイミング

お子さんの年齢が20歳を超えていたとしても、親の離婚に衝撃を受けない子どもはいません。
ですが、ある程度の年齢に達しているお子さんであれば、真摯に事情を伝えることで客観的かつ冷静に現状を受け止め、理解を示してくれます。

そうはいっても、子どもに自分たち親の離婚を伝えることは、神経を使うものです。
特に、感受性が強いお子さんの場合、伝え方やタイミングを間違うと、場合によっては引きこもりや鬱などになってしまう可能性も考えられるので慎重に対応する必要があります。

基本的には、どちらか一方の親だけが対応するのではなく、両親揃って直接本人に伝えるのが理想的です。

そのときには、父親(母親)と離れて暮らすことになったとしても、なるべく子どもが不安にならないよう、「好きな時にいつでも会える」ということを伝えてあげることや、「あなたのことは変わらず愛している」ということを伝えてあげるようにしてください。
また、自分たち夫婦の今後がハッキリしないうちは、余計な話は避けるべきでしょう。

6:住居の決定

最初にお伝えしたように、いくら離婚を決意したとしても、計画通りにいかないことも考えられます。
相手に「離婚をしたい」と伝えたとしても、本気にされなかったり逆ギレされたりして話がうやむやになってしまう人たちも少なくありません。
そのような人たちが進む道は、今まで以上に重苦しい環境下での“仮面夫婦”生活です。

離婚宣言後、お互いを傷つけ合わないために、または今後の話し合いを冷静に進めるためにも、別居先(住居)を事前に確保しておくほうが精神衛生上よろしいかと思います。

今後に付いて冷静に話ができる夫婦の場合は問題ありませんが、そうでない場合は一緒に住み続けながら離婚話を進めることは現実的にかなり難しいのです。

7:夫婦の財産の確認

離婚する夫婦にとって、避けては通れない問題が「お金」に関することです。
結婚後、一緒に築き上げてきた財産(持ち家、預貯金、有価証券、家財道具など)は夫婦共有の財産であり、どちらか一方の名義であったとしても離婚するにあたって基本的に二分の一ずつの分与の対象となります。

定年退職が近い夫と離婚をする場合は、(婚姻期間によっても違ってくるが)退職前でも退職金の二分の一を請求することができるのです。

また、住宅ローンなどの“負の財産”も分与の対象なので、合わせて財産の把握をしておくことが大事です。

8:相手の感情を読む

離婚したい人が、案外わかっていないのが、相手の“感情”を読むということです。
早く離婚したいのなら、相手を挑発したり怒らせたりしないほうがスムーズに話を進めることができるのですが、多くの人が逆の言動をしてしまいます。

相手を威嚇したり冷たくあしらったりして離婚を迫りがちですが、それは逆効果なのです。相手が意固地になるだけです。
仮に、大嫌いな相手でも、感情を汲み取ってあげたり、理解を示してあげたりしながら(表面上でもいい)穏やかに対処していく強い精神力が必要です。

そして、どうしても2人だけの話し合いでは難しいと感じたら、離婚調停を申し立てたり、弁護士に相談したりするなどして精神的な負担をなるべく最小限に抑えることを考えてください。

離婚するために必要な要素は、「覚悟」と「強い精神力」です。
離婚が「大変だ」と言われる理由は、自分自身と相手の“様々な感情”に立ち向かわなければならないからです。
新たな人生に向けて再出発しようとする離婚は、決してネガティブなものではなく“前向きな行動”です。
多くの人の力を借りながら乗り越えてください。

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講師プロフィール

高草木 陽光(たかくさぎ・はるみ)

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夫婦問題カウンセラーとなり、11年間で約9,000人のカウンセリングを行う。「直そうとしないで、わかろうとするカウンセリング」をモットーに、夫婦問題で悩みを抱えている人の心に寄り添いながら、解決への糸口に向けてお手伝いをしている。
美容師、育毛カウンセラーを経て、結婚を機に専業主婦となったが、夫の束縛や価値観の押し付けに違和感を覚え、「結婚生活とは何か」ということを深く考え始める。「離婚カウンセラー」という職業があることを知り、自分たち夫婦だけでなく、夫婦関係で悩んでいる人たちのために必ず役に立つと確信し、2009年に「NPO法人日本家族問題相談連盟」の認定資格を取得。【メディア実績】
・NHK総合「ニュース シブ5時」「あさイチ」
・フジテレビ「ホンマでっか!?TV」「ノンストップ!」「バイキング」
・TBS「ビビット」「グッとラック!」
・テレビ朝日「羽鳥慎一 モーニュングショー」他。
【著書】
・なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか(左右社)
・心が折れそうな夫のためのモラハラ妻解決BOOK(左右社)

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