日本人の約80%が不足している?!今年の冬は外せないビタミンDのお話
やずや社員歴19年。健康管理士一般指導員の國重です。
ちょっと知るだけで、健康につながる情報をお届けいたします。
今回は、冬に意識していただきたいビタミンDのお話です。
「ビタミンDって日光(紫外線)に当たるとできる。不足すると骨粗鬆症になるマイナーなビタミンですよね。」あまりビタミンDについて聞いたことがなく、「ビタミンDって重要なの?」と思われている方も多いかもしれません。これはビタミンDの研究が2000年代になってから盛んになり、「現代人はビタミンDが不足している」とわかったのが比較的遅かったため、日本ではビタミンDの重要性があまり知られていないからなのです。という事で、本日は冬こそ摂りたいビタミンDのお話です。
日本人の約80%がビタミンD不足
ここ10〜20 年で乳幼児の「くる病」が増えているそうです。
骨の発達不良によりO脚になり、うまく歩けないなどの症状が出る「くる病」。 これはビタミンD不足が原因と考えられています。血液中のビタミン Dの不足により、骨にカルシウムが沈殿できずに、骨の発達不足を起こしているのです。
原因は、完全母乳の食事(母乳だけだとビタミンDは少なくなりがち)や紫外線を避ける生活習慣(日焼け止めやUVカットの製品など)と考えられています。皮膚炎などを引き起こさないために紫外線を避け、屋内での生活が増え、極端に日光浴を避ける生活により子供たちがビタミンD不足を起こしているのが「くる病」の原因です。
ビタミンD不足が引き起こすあんなこと、こんなこと
「ビタミンD不足は世界的問題である」・・・アメリカ国立衛生研究所はこのように言っています。
ビタミンなのにどうしてここまで言われるのでしょうか?
実は、ビタミンDが発見されて100年くらいは、他のビタミンと同じ、代謝や補酵素として体に必要なものというレベルで考えられていました。
しかしその後、ビタミンDが体の中で作られること、男性ホルモンや女性ホルモンと同じようなステロイドホルモンの一種であることが解ったのです。
研究が進みビタミンDは細胞内に入ることができ、卵巣ホルモンや精巣ホルモンなどと同じように、遺伝子が作られる細胞の機能、成長、分化(遺伝子の使い分け)などの制御を行うことができることがわかったのです。
「くる病」のところで説明しましたが、今までは、ビタミンDは、骨にカルシウムを吸着させるために必要なビタミンという認識でした。そのためビタミンD不足は、高齢の方は骨粗鬆症の原因となり、子供たちの場合は、乳製品でカルシウムを摂っても骨が丈夫にならないという説明がされていたのです。
しかし近年、免疫力増強・がん増殖を抑える・感染病(風邪やインフルエンザ)の予防、うつ(メンタルの安定)、高血圧、糖尿病予防、心疾患や脳卒中のリスク減少、アレルギーを軽くする、認知症など調べるとたくさんの症状にビタミンDが関与していることがわかったのです。これは、体の中のいろんな細胞にビタミンD受容体があり活性化したビタミンDが受容体に結合してホルモンとして働いてくれるため多種多様な働きが見つかっているのだそうです。「サーファーに花粉症はいない」(サーファーは紫外線を全身で浴びてビタミンDが作られ、免疫を整えてくれる)という本もあります。
つまり、ビタミンDは健康のレベルを上げてくれるビタミンなのです。
海外では最重要ビタミン
日光に当たるとビタミンDは作られます。夏場は木陰で日光浴でもいいのですが、冬場、東北など緯度の高い所のように日照時間が短いと必要な量のビタミンDが作られないかもしれません。 いつもは食事重視なのですが、ビタミンDについてはサプリメントでもOKだと考えます。アメリカでは最重要ビタミンと考えられており、子供のころから「ビタミン D」をサプリメントで飲んでいるそうです。 ただ、ここでまた、日本食自慢です。魚類に多いビタミンDは刺身や干物など魚類などを食べる方は手軽にとれていま す。卵、肉、キノコもビタミンDを簡単にとれます。あと、ビタミンDと一緒にとりたいビタミンKは納豆、マグネシウム は、いつもの「ま・ご・わ・や・さ・し・い」で摂れます。
やっぱり冬も和食がおすすめかな。
「ま・ご・わ・や・さ・し・い」とは?
日本人が主食の米とともに副菜として上手に取り入れてきた伝統的な食材。
まめ・ごま・わかめ・やさい・さかな・しいたけ・いもの頭文字をとった語呂合わせ。まごわやさしいの食材を意識して摂ることで、バランスの良い食生活につながります。