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自分らしいライフスタイルで過ごすために

老後を楽しく生きる〜住まい探し〜 講義1|講師:山床 哲夫
自分らしいライフスタイルで過ごすために

*この記事はココカラ大学2020年5月〜11月まで連載していた内容を移設掲載しております。

はじめまして、高齢期の住まいと暮らしを専門とする、ライフプランナーの山床 哲夫と申します。

「これから年を重ねていく中で、どんな生き方を選んでいくべきか」
「老後はどこで、どのような住まいで暮らしていけばいいんだろう」

そんな思いや不安が頭をよぎる人たちは少なくないと思います。
こうした問いかけに対する答え(正解)は、一つではありません。

一人ひとりの考え方や性格、志向するライフスタイル等によって、人それぞれにいく通りもあるからです。

多くの方々からよく、こんな声をお聞きします。
「介護が必要になったら、老人ホームに入らなければいけないですよね」

いえいえ、そんなことはございません。
ひと昔前と違い、現在はさまざまな住まいや施設がありますから、ご自身に合った住み替え先を選ぶことができるんです。

まさに今は「自分らしい老後の暮らしが選択できる時代」であり、本当にいい環境が整ってきたと思います。

そのことはぜひ多くの皆さんに知っていただき、将来の住まい選びに失敗することなく、有意義なセカンドライフを送っていただきたいと願っています。

それでは、相談者の方々の具体的な事例を紹介いたしましょう。
都内の戸建てにひとりで暮らす女性のAさん(80代後半)から、こんなご相談をいただきました。

Aさん「要介護3の認定を受けてから、不安な毎日を送っています。広すぎる家や庭などの管理はひとりでできませんし、外出するときは手押し車がないと歩けなくなりました。道路のちょっとした段差もまたぐのが怖いですね。できるだけ近くで、安心して暮らせる住まいはありませんか」

山床「都内には今、介護サービスの充実した高齢者向けの施設がたくさん供給されていますので、心配なさらないでください。」
「まずは介護付有料老人ホームを一緒に見学してみましょうか。ご自宅よりも安心・安全に過ごすことができますから」

ところが、介護付有料老人ホームの見学を終えると、Aさんはとてもガッカリした表情。
不満なところは、食事の時間が定められた食堂、他の入所者と一緒に入る大風呂、毎日の安否確認など、館内に決まりやルールがあることでした。

「ルールに縛られて生きるくらいなら、死んだ方がマシだわ」

そうおっしゃったAさん。
一番求めていたのは「自分らしく生きること」だったのです。

最終的にAさんが選んだのは、アクティブシニアの多い高齢者向け賃貸住宅でした。
但し、要介護3のAさんは、在宅でしっかりとした介護サービスを受ける必要があります。

そこで、ヘルパーさんに定期的に来ていただき、入浴の介助や夜間の服薬管理、通院の介助など生活全般のサポートをお願いしました。

現在は高齢者向け賃貸住宅であっても、医療や介護、生活支援等のサービスを組み合わせれば、要介護の方も十分に暮らしを営むことができる時代です。

いま自分らしく自由にのびのびと過ごしているAさん。
住み替えて良かったとおっしゃっていました。


もう一つ、事例をご紹介しましょう。
自営業の仕事をリタイアしたばかりという男性のBさん(60代)から、こんなご相談がありました。

Bさん「介護サービスが将来しっかりと受けられる、安心・安全の度合いが高いシニア向け住宅を探しています」

まだ60代の若いBさんは介護どころか、病気もケガもまったくなく、お元気そのもの。
外でお酒を飲んだり、仲間と麻雀をするのが楽しいと話していました。

そんなBさんには、自由に暮らせるアクティブシニア対象の高齢者向け賃貸住宅(館内で介護サービスの提供はない)をご案内したのですが、意に沿わない様子でした。

「自由な暮らしはいらないんです。もっと安心・安全のサービスや体制がしっかりした住まいはありませんか?」

よく話を聞いたところ、お気持ちが分かりました。

都内の戸建てでひとり暮らしをしているBさんは以前、家の中で転んで大腿骨を骨折してしまい、3ヶ月も入院するほどの大ケガを負ったそうです。

そうした経験に加えて、独身のBさんには子どもや家族がいらっしゃらないため、老後への不安な思いがぬぐえないのかもしれません。

「将来要介護になったときの備えとして、私は手厚いサービスのある高齢者向け住宅へ早めに転居しておきたいんです」

その考え方はまったく間違っていないと思います。

最終的にBさんが選んだのは、自立から要介護5まで幅広く受け入れる高齢者向け賃貸住宅でした。

今は元気な自立者専用のフロアに入居しているBさん。
館内ではいつでも医療・看護・介護のサービスが受けられるので、終の棲家として安心・安全に暮らせることに満足されています。

皆さんと一緒に見てきましたように、生涯にわたって自分らしいライフスタイルを送るには〝住まい選び〟が何よりも重要です。

次回の講義では、さらに掘り下げてお伝えしたいと思います。

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講師プロフィール

ライフプランナー
山床 哲夫(やまとこ・てつお)

1980年8月生まれ。
両親について介護など老後の生活のことが心配になったとき、自分が無知であると気づいて不安になった。それがきっかけで、神奈川県の介護関連企業に就職。
介護業界ではさまざまな老後の不安、介護の疑問などにぶつかり、苦悩されているお客様と関わる中で、一人ひとりに合った住まい(生きる場所)や住替え先がとても重要だと感じる。
そんな経験から、間違いのない住まいや住替え先を多くの方に提案したいと考え、高齢者に特化した部署のある株式会社イチイへ転職。
老後の住まいや暮らし方についてアドバイスをする仕事に携わる。
お客様の「ここに住み替えて良かった」という声を少しでも多く聞くために、いま東京・神奈川・埼玉を中心に活動している。

講師インフォメーション

株式会社イチイ Good Life


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