シュワシュワがおいしい!スパークリング清酒を楽しもう
にほん酒はじめ 講義17|講師:葉石かおり
シュワシュワがおいしい!スパークリング清酒を楽しもう
8月8日の立秋を過ぎましたが、残暑の湿度の高さがハンパないですね。
こう蒸し暑いと、シャワーで汗を流した後にビール…といきたいところですが、日本酒ラバーであれば、ここはぜひとも日本酒でいっていただきたい。
とはいえ、亜熱帯のタイ在住の方から「日本のほうがずっと暑い」と言われるほど、尋常ではない暑さの日本では、喉越しのいいビールやハイボールのほうが有利なのでは?と思ってしまいますよね。
確かに甘味と旨味があるしっかり味の日本酒の場合、真夏はやや不利かもしれません。
しかし日本酒にだってあるんです。そう、ビールに負けないシュワシュワッとした喉越しのスパークリング清酒が!
昨今は大手メーカーのスパークリング清酒のCMが流れたり、コンビニやスーパーなどで見かけることも増え、既にご存知の方も多いと思いますが、ここでスパークリング清酒についてホンの少しお勉強しましょう。
スパークリング清酒とは、文字通り発泡性の日本酒のこと。
和製シャンパーニュとも言われ、今や女性を中心に人気が高まっています。
実のところスパークリング清酒は大きく分けて2つの種類があります。
もっと細かく言うと3種類になるのですが、発酵や酵母など専門的なお話が絡むので、ここではシンプルに2タイプのみご紹介します。
1つはシャンパーニュのように瓶の中で二次発酵させ、ナチュラルな炭酸ガスを含むタイプ、そしてもう1つは人工的に後から炭酸ガスを充てんしたタイプです。
いずれもシュワシュワとした喉越しがあることに変わりはありませんが、前者のナチュラルな炭酸ガスを含むタイプのほうが時間と手間がかかる分、お値段も少々高くなります。
「まずはスパークリング清酒を試したい」と思う方は、後者の炭酸ガスを後から充てんしたタイプを選ぶといいでしょう。
スパークリング清酒の魅力は、何と言ってもシュワッとした爽やかな喉越し。
発売された当初は甘口タイプが多かったのですが、最近では食中酒として最初から最後まで楽しめる辛口タイプも増えてきました。
とは言え、基本的にフルーティな味わいのものが多いので、いちじくの生ハム巻きやタコとキウイのマリネなど、フルーツを使った料理と好相性です。またカットフルーツを加え、カクテル風に楽しむのもオススメ。
「日本酒はちょっと…」と敬遠される方でも、スパークリング清酒であれば敷居も低く、入門編のお酒にぴったりです。
泡立ちがキレイで、華のあるお酒なので、乾杯酒としても。
趣向を凝らした前菜とともに、フルートグラスで飲めば酒席も盛り上がること間違いなしです。
さて、概要をつかんでいただいたところで、「スパークリング清酒トリビア」を1つ。
スパークリング清酒が最初に生まれたのは、実はハワイなんです。
それも今から70年も前というから驚きですよね。銘柄は『ポロ』。
これを造っていたのは、今はなきホノルル酒造で、炭酸ガス後入れタイプだったそうです。
戦前に、しかもハワイでそんな日本酒が造られていたなんて、考えただけでもワクワクしますよね。
まだまだ蒸し暑さが続きそうな日本。
常に爽やかな風が吹くハワイを思い浮かべながら、スパークリング清酒で残暑を乗り切りましょう。
広島で行ったサケ・エキスパートの懇親会でいただいたスパークリング清酒『一代 弥山 スパークリング』(炭酸後入れタイプ/中国醸造株式会社)。
ドライな口当たりで、ガスボリュームも随一!
商品化するまでに試行錯誤し、3年もの歳月がかかった蔵自慢のお酒です。前菜はもちろん、揚げ物にも良く合いました。
中国醸造株式会社(広島県) 一代弥山スパークリング
Amazonでご購入できます
一代弥山スパークリング(750ml)
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講師プロフィール
酒ジャーナリスト、エッセイスト
一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション理事長
葉石 かおり(はいし かおり)
講師インフォメーション
▼著書 「名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義」