同い年なのに、老け顔にみえる!!それは、カルシウム不足かもしれません。日々の牛乳だけでは補えないCa不足をしっかり理解しましょう(その1)
やずや社員歴19年。健康管理士一般指導員の國重です。
ちょっと知るだけで、健康につながる情報をお届けいたします。
今年最後はカルシウムのお話です。
「カルシウムは〇〇から摂りましょう」は本当なの?というお話です。
カルシウム不足にはカルシウム補給!そんな単純な話ではないのです。
カルシウムは体の骨格の「骨」や「歯」の中に99%含まれ、後の1%は細胞や血液中に存在します。
そして、細胞の中と細胞外のカルシウム比率は1:10000の割合で存在しています。怖いのは、この比率が死守されていることなのです。
そしてカルシウム不足は老化の原因にもなります。
カルシウムについてしっかりお伝えしたいので、今回とまた次回の2回に分けてお送りします。
■日本人はカルシウム不足になりやすい
日本の水は「カルシウム」「マグネシウム」の含有量が少ない軟水がほとんどです。それに比べて欧州はミネラルが多い硬水が多いのです。
毎日の水分補給や、料理に使う水からミネラルが取れないため日本人は意識してカルシウムが摂れる食事をしないといけないのです。
特に女性は更年期に入りエストロゲンの分泌が減少すると骨ができにくくなり、閉経後は骨粗しょう症になりやすくなるのです。
妊娠中はもちろん産後も母乳で赤ちゃんにカルシウムを補給するため、母体もカルシウムが必要になります。
■覚えておきたいカルシウムパラドックス
99%が骨や歯なら、後の1%のカルシウムは何をしているのでしょう?
細胞の中や血液中にある1%のカルシウムをキープするために、99%のカルシウムは手軽に排出できる骨や歯に大量に貯蔵されています。
具体的に1%のカルシウムは・脳の興奮を治める(イライラや精神安定)・筋肉の収縮に必要・イオンバランスを正常にする・浸透圧を保つ・細胞を活動的にする・心筋を正常に保つなどの作用の引きがねになる重要なミネラルなのです。
カルシウムが不足すると小児のくる病・骨粗しょう症・心疾患・高血圧・動脈硬化・肥満・糖尿病・認知症・妊娠高血圧などの可能性が出てしまいます。
ココカラちょっとムズカシイです。1%のカルシウムが減ると99%の貯蔵している骨や歯からカルシウムを溶かし出し、血管から細胞に運ばれていきます。
この時、普段閉じている細胞膜のカルシウムポンプは、細胞内のカルシウムが足りないので、細胞内にカルシウムを取り込むため開きっぱなしになります。そのため今度は細胞内のカルシウムは過剰になってしまいます。
このように体内のカルシウムは足りていないのに細胞内のカルシウムは増えてしまうという矛盾が、カルシウムパラドックスです。
この状態が続き、1:10000の比率が崩れると普段カルシウムが少ない細胞にも入り込み、細胞の機能を低下させるのです。
例えば、膵臓の細胞に入ると細胞の機能低下でインスリンが出なくなり糖尿病、血管細胞に入ると血管が硬くなり動脈硬化、脳細胞だと認知症・・・。
■実際足りていないカルシウム
日本人の平均カルシウム摂取量は2009年の国民健康栄養調査では一日平均500mg(20歳以上)です。
食事摂取基準では、男性800mg(50歳以上700mg)、女性650mg(50歳以上650mg)ですから、毎日のように足りていないことになります。
カルシウム不足は繰り返し続くと貯蔵先である骨から補給され続けます。
同じ年齢なのに、老け顔の人見たことありますよね。
顔全体や頭の骨も減っていくのです!
減りやすいのは眼球の周り、顎周辺、頬骨周辺などです。
そうなるとお肌の張りがなくなり、皮膚はたるみ、しわは増え、老け顔になってしまうのです。
年をとっても顔のお肌に張りがある人は土台(骨)がしっかりしているのですね。背骨も曲がるので姿勢も老ける。
もちろん女性に多い骨粗しょう症もカルシウム不足です。
カルシウム不足なので単純にカルシウムを摂ろうと考えてもダメ。
カルシウムが多い為に発生すると思われている結石や動脈硬化や肩関節石灰沈着症は、カルシウム過多ではなくマグネシウム不足も一因なのです。
見た目の老化が進行している人はマグネシウムの3倍カルシウムが多くみられるそうです。
反対に年齢が100歳を超える人は、一般の高齢者に比べて体内のマグネシウムの総量が高くカルシウムレベルが低いということでした。
まだまだ複雑なので、次へ続きます!
2回目は牛乳飲んでも骨にカルシウムは届かない理由をお伝えしま~す。
まとめ
・カルシウムは「骨」や「歯」の中に99%、細胞や血液中に1%存在する。
・女性は特にカルシウム、マグネシウム不足に注意!
・カルシウム不足は老化の原因にもなる。
・カルシウム不足が繰り返し続くと骨から補給され続ける。
・日本の水は軟水がほとんどのため、意識的にカルシウムが摂れる食事を!