みんなが知らない夫婦の「本音の伝え方」
ココカラ夫婦物語 講義18 |講師:高草木 陽光
みんなが知らない夫婦の「本音の伝え方」
あなたは、夫(妻)と「本音」で話せていますか?
相談者の方たちのお話を聴いていると、ほとんどの人たちが夫婦で本音を伝え合えていないことに気付かされます。
「本音」と聞くと、多くの人たちはネガティブなことを言い合うイメージがあるようです。
お互いの短所を言い合ったり、溜め込んでいたストレスを感情のおもむくままに吐き出したり……。
しかし、本音はネガティブなことだけではありません。
「本音を言う」ということは、相手に対してのストレスをぶちまけることだけではなく、本当は言葉に出して言いたいけれど言えずにいる「感謝の言葉」や「ねぎらいの言葉」も、“本音”のはずです。
なのに、そういったポジティブな言葉を伝えることを積極的に考えず、不満を言うことだけに意識が向いている人たちが少なくありません。
それは、とても残念に思います。
夫婦は、“夫婦”だからこそ、他人が言えないようなネガティブなことも相手に伝えなければいけない状況も出てきます。
なるべく相手を傷つけないように、言葉を選びながらも厳しいことを言わなければいけないときもあるかもしれません。
ですが、芸能界で「毒舌家」と言われている人たちが、キツイことを言っているにもかかわらず支持されている理由を思い浮かべていただくとわかるように、そのような人たちは、本音のなかにも「愛」がある発言やフォローをしています。
つまり、ネガティブな本音を伝えたい場合は、相手に対しての「愛」を忘れてはいけないということです。
ましてや夫婦であれば、他人以上の“信頼関係”が築かれていることがほとんどだと思うので、誠心誠意伝えればあなたの真意をわかってくれる確率は高いのではないかと思います。
相手の悪口にならないように言い方を工夫し、本気で対峙すれば、今とは比べものにならないくらい安定した夫婦関係を築くことができるでしょう。
相手の“人格否定”をするのは愛情とは言えませんから、相手を尊重しながら自分の思いも伝える方法、「私は、〜と思っている」と、“自分を主語”とした言い方を試して見てくださいね。
本音が言えない夫婦のデメリット
・本当の信頼関係が築けているのかいないのか常に不安。
・言いたいことが伝わりにくい。
・すれ違いが起こりやすい。
・ストレスが溜まりやすい。
本音が言い合えない夫婦は、お互いの気持ちを察しにくいため、すれ違いが起こりやすくなる傾向があります。
「ネガティブな本音を言わない方がいい場合」とは?
ネガティブな本音を言うときは、言い方はもちろんですが、状況や関係性を見極めることが大切です。
例えば、夫婦関係が険悪になり、妻が夫と離婚したいと思っているとしましょう。離婚に向けての話し合いや、離婚したい理由を話す状況になったとき、お互い冷静に対応できればいいですが、なかには感情的になってしまう人も少なくありません。
「あなたの顔を見るのもイヤ」「生理的に受け付けられないし、一緒の空気を吸うのも耐えられない」「あなたと結婚したのが間違いだった」など。
離婚したいと思うくらいですから、このような言葉は本音なのかもしれません。
しかし、離婚してほしい場合、過激な本音を言うことは逆効果になってしまうことがあるのです。
この場合、妻の“目的”は「夫に離婚の合意をしてもらうこと」です。
ネガティブな本音を伝えることで、夫が逆上したり意固地になったりすることもあり、合意を得るどころか離婚してもらいにくい状況をつくり上げてしまうのです。
離婚を決意したということは、愛情がなくなり、その人との明るい未来が期待できないと判断したからに他なりません。
ですが、幸せを探す新たな出発のためだからこそ、ネガティブな本音はオブラートに包み、「立つ鳥跡を濁さず」の精神での話し合いをお勧めします。
離婚の話し合いで「本音を言い合った夫婦」の末路
お互いに離婚の合意ができたにもかかわらず、これで最後だからと今までの結婚生活の不満や夫の気に入らない部分をぶちまけてしまった女性がいます。
結局どうなったかというと、親権や養育費、財産分与など、子どもやお金に関する条件に対して夫がことごとく反発しているため、別居状態のまま未だに離婚成立に至っていません。
離婚調停を申し立てましたが、のらりくらり交わされ決着がつかず不調になりました。
その後、「これからどうしたらいいのか…」と私に相談の連絡がきたのですが、お話を伺うと、その女性は夫に電話やLINEをして現在も暴言を吐きまくっているというのです。
もうおわかりだと思いますが、まずはそういった言動を改めなければ自分の望む方向には中々進まないということなのです。
まとめ
・ポジティブな本音は、積極的に口に出して伝えましょう。
・ネガティブな本音は、言い方を工夫して伝えましょう。
・言いたいことを言い合えない夫婦は、必ず後に“問題”が起こります。
・本音を言い合うことは、ケンカではなく、“信頼”を深めるための行為です。
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講師プロフィール
高草木 陽光(たかくさぎ・はるみ)
講師インフォメーション
▼著書《なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか》
▼イラストレーター 多田 景子 ホームページ