夫は「ロマン」を求め、妻は「現実」を求める
ココカラ夫婦物語 講義17 |講師:高草木 陽光
夫は「ロマン」を求め、妻は「現実」を求める
「秒速で 1億稼ぐ男がいるようだ。だったらせめて俺は分速で1億稼ぐ男になるぞ!」。
もしも夫がこんなことを言い出したら、きっと妻は「フッ」と鼻で笑って秒速で聞き流すに違いありません。
そう……男はいつでもロマンを求め、女は現実を求めるのです。
「高級外車を買う」と豪語する夫を見て呆れる妻
あと2年で夫が定年退職を迎えるという道子さん(仮名・56歳)は、「夫は現実をわかっていない」とため息を漏らしました。
「退職金で、昔から夢だった真っ赤なオープンカーを買うぞ!」。
定年間近の夫から その言葉を聞いた瞬間、道子さんの頭の中は「車より先に、家のローン返済でしょ」「渋滞が多い都会でオープンカーは必要?」「維持費がいくらかかると思ってるの?」という不安でいっぱいになりました。
夫が昔から車好きなのは知っていましたが、いまさら年甲斐もなく真っ赤なオープンカー、しかも数千万円の高級外車を買うと豪語する夫を目の前に、道子さんは呆れるばかりか怒りさえ覚えるのでした。
現在所有している車は、国産のセダン車1台。平日に夫が車を運転することは滅多にないので、道子さん専用の車だと言ってもいいでしょう。
妻の立場からしてみれば、普段使いできる実用的な車が一番ありがたく、むしろ軽自動車のほうがいいと思っています。
しかし、夫はそんな妻の気持ちや現状にまったく気付くことなく、いまから浮かれているというのです。
妻の気持ちをわかってもらうためにはどうしたらいいのか?
そこで、夫の怒りを買うことなく、なおかつ道子さんの気持ちをわかってもらい、高級外車を諦めてもらうためには、どのように夫に話しをしたらいいのでしょうか?
まず、やってはいけないことは「否定から入る」ということです。
「外車のオープンカーなんかとんでもない!」「勝手なことばかり言わないでよ」「家のローン返済が先でしょ!」など。
いきなり否定されると反発精神が湧き起こるのが、人というものです。
大事なのは、道子さんが不安に思っている事柄や理由を夫に伝えることです。
伝え方は、「〜が不安なの」「〜が心配」といように、“シンプル”に伝えればいいだけです。
そして理想的なのは、夫の夢をすべて奪ってしまう解決策ではなくて、お互いに納得できる範囲の“落としどころ”を見つけることです。
「〜については、どうしたらいいと思う?」と、1つずつ丁寧に問題点を話し合いながらお互いの不安の種を取り除いていき、実現できそうな意見を出し合いましょう。
また、代替案を出し合いながら妥協点を見つけていくのもいいでしょう。
「夫は突拍子もないことを言い出す」と思っている妻も少なくないと思いますが、実は規模や内容は違えども夫も妻に対して同じことを思っていることが多く、お互い様なのです。
物事を現実的に考える傾向がある女性にとって、夫の言い出す非現実的な“男のロマン”には、多くの妻たちが不安に襲われアタフタしてしまいがちです。
そのため、咄嗟に否定したり文句を言ったりしてケンカになってしまうことも少なくありません。
賢い妻の対処法は、「いかに自分が楽をして、心地良くいられるか」を冷静に考え、その目的に沿った言動をしていくことが大事なのです。
「穏やかな毎日を過ごしたい」「安心できる人生設計をしたい」という人は、否定して文句を言うだけでなく、まずは相手の意見を聞き入れながら自分の意見を織り交ぜていくことで、理想的な“落としどころ”を探っていけたらいいのではないかと思います。
いちど言い出したら聞かない夫
なかには、いちど言い出したら聞かない夫も少なくありません。
“俺さま気質”の人は特に厄介です。
そんな夫を持つ妻は、これまでの夫を思い返してみて何とかなってきた経験があるのなら「またか」と大らかな気持ちで受け入れるしかないでしょう。
しかし、夫の“気まぐれ”に散々苦労して困難が目に見えているのなら、その困難に今後も一緒に立ち向かうのか、新たに貴女の人生を考えるのか…真剣に検討してみてもいいかもしれません。
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講師プロフィール
高草木 陽光(たかくさぎ・はるみ)
講師インフォメーション
▼著書《なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか》
▼イラストレーター 多田 景子 ホームページ
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