日本酒ビギナーへ これだけは知って欲しい日本酒の種類
にほん酒はじめ 講義4|講師:葉石かおり
日本酒ビギナーへ これだけは知って欲しい日本酒の種類
純米吟醸、大吟醸、本醸造……、何これ?
いったいどう違うの?
あ~、日本酒っていっぱい種類があってめんどくさいなぁ。
もうおいしければ種類なんてどうでもいいや!→わかんないから、ちょっとやけになってお酒を飲む→酔っぱらう→結局、何がわからなかったことさえも忘れてしまう→はじめに戻る。……と、このような負のわかんないスパイラルに陥っている方が多いのではないでしょうか?
はい、私も初心者の頃は全くわかりませんでした。
極論を言えば、「おいしければ種類なんてどうでもいい」んです。でもせっかく飲むならホンの触りの部分である日本酒の種類を覚えておきませんか? 日本酒を選ぶ時のちょっとした指針になります。また皆さんが思っているほど難しくない(はず)ので、構えずに読み進めてみてくださいね。
純米吟醸、本醸造がついたお酒は「特定名称酒」と呼ばれるもので、お米や米麹などの原材料、お米をどれだけ削って残ったかを表す「精米歩合」などの違いによって分類されます。他にも麹の使用割合など、細かい条件が色々あるのですが、それを説明するとまたも負のスパイラルに陥ってしまうので、ここでは割愛します。
特定名称酒と呼ばれるものは8種類。それを大きく分けると2タイプあります。1つ目は「純米酒タイプ」。醸造アルコールが含まれていないタイプで、お米の旨味をダイレクトに味わうことができます。表記に「純米」とつくものはこれに当たります。
もう一つは「本醸造タイプ」。醸造アルコールが添加されたタイプで、純米タイプに比べると、口当たりが軽やかなのが特徴です。「純米」という表記がないものは、こちらに属します。醸造アルコールというと、いいイメージを持たない方が多いのですが、特定名称酒の場合、使用する醸造アルコールの割合が決まっています。決して「お酒を薄めて安くする」ためではないということを知っておいてもらえたら嬉しいです。
2つに分けたところで、次に注目して欲しいのが精米歩合です。
「大吟醸」とつくお酒の精米歩合を見ると50%以下、つまりお米の半分以上も削っているということ。わかりやすい銘柄を例に挙げでみましょう。『獺祭 純米大吟醸 二割三分磨き』の精米歩合は23%、実にお米の77%を削ったものを使ってお酒を造っています。こう考えると、大吟醸と名前のついたお酒の値段が高いのも納得できますよね。ちなみにお米を削るほど(精米歩合の数値が小さい)、透明感のあるキレイな味わいのお酒になります。反対にお米をあまり磨かないと(精米歩合の数値が大きい)、旨味のある味わいになります。
と、まあこうした具合に特定名称酒は、原材料や精米歩合などの違いで名前が変わります。ただし純米酒に限っては精米歩合の規定がありません。極端に言えば、精米歩合が90%であろうが、30%でも純米酒と名乗ることができます。
「特別」と付く種類は文字通り、特別な製造方法で造られているお酒のこと。例えば原材料、搾り方などで、自社で造る他の純米酒や本醸造酒と明らかに差別化できるものに付けることができます。
ここまで読んで「やっぱり難しい~!」と思った方は、純米タイプと本醸造タイプの2タイプを覚えておくだけでも大丈夫です。日本酒はデータや数字ではなく、自身の舌で味わうもの。うんちくは必要ありません。日本酒ならではの難しい表記や分類は、ストレスにならない程度に知っておけばいいのです。
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講師プロフィール
酒ジャーナリスト、エッセイスト
一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション理事長
葉石 かおり(はいし かおり)
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