免疫力UPと亜鉛の関係|風邪予防に必要な栄養素
健康管理士一般指導員の國重です。
ちょっと知るだけで、健康につながる情報をお届けいたします。
冬は風邪をひきやすいですよね。今回は風邪をひきやすい冬の季節に、免疫と栄養を考えていきたいと思います。
今年は3年ぶりにインフルエンザも流行ってますので、ちょっと気にしておいてくださいね。予防にも役立ちますし、風邪をひいてからも早めの回復を目指して栄養補給をしていきましょう。
まずは免疫の整理から!
■免疫がわかりにくいのは整理されていないから。
「TVの番組でも免疫の話が出るけどよくわからないし、なんだか難しい!」と思ってしまうのは、整理して理解できていないから。
今回は、免疫の種類を整理してみます。
免疫には【粘膜免疫】と【全身免疫】の二つがあります。
目や鼻、口、腸管の粘膜など体内にウイルスや病原菌を侵入させないように防ぐのが【粘膜免疫】です。
この粘膜免疫を突破して体内に異物が侵入した時に活躍するのが【全身免疫】になります。
【全身免疫】のうち、体内に侵入したウイルスなどの異物と戦うのが【自然免疫】です。この自然免疫は戦いながら情報を集め、正確で素早い攻撃を行う【獲得免疫】(抗体)が作られます。
■免疫がついたら病気にならない??
【粘膜免疫】と【全身免疫】はお城の外と中の関係です。
普段、【粘膜免疫】はお城の外のウイルスやバイ菌などの異物を入れないように守っています。
そのため、ウイルスやバイ菌などの異物は体内に入ることができません。
食べ物と一緒にウイルスやバイ菌が入っても、食道や胃の【粘膜免疫】が守ってくれているのです。
しかし、疲れている時や激しい運動をすると【粘膜免疫】は低下してしまいます。疲労を強く感じている時は【粘膜免疫】が低下し、感染症にかかりやすくなっているのです。
「運動会の後に風邪で休んでしまった」といった話をよく耳にしませんか?
実は【粘膜免疫】の低下が大きく関わっているのです。
お城の中(体内)に侵入したウイルスは【自然免疫】に捕獲され、攻撃されて無力化されていきますが、その中でウイルスや異物の情報を集めて【獲得免疫】(抗体)を産生して記憶していきます。
ある感染症にかかりにくくなることを「免疫がついた」と言いますが、これは【獲得免疫】(抗体)が感染症を記憶しているため、素早く正確にウイルスを攻撃し増殖させないことで感染症が発症しにくくなっている状態のことです。
TVでよく言われている「集団免疫」は特定の感染症に対して、集団の【獲得免疫】(抗体)を持つ人が一定の割合を超えたために、感染が広がらなくなることをいいます。
ワクチンが勧められるのは、既感染者+ワクチン接種者でも「集団免疫」ができると考えられているからです。
「免疫が乱れる」という言葉もよく聞きますよね。
これは免疫をコントロールしている細胞が減っていたり、運動不足、生活リズムの乱れ、睡眠不足などの影響により免疫が正常に働いていない状態です。
この複雑な免疫系が乱れると、本来なら異物を攻撃する免疫が正常な細胞を攻撃することになります。
免疫系は複雑ですが整理するとわかりやすいので、上の絵を見ながらもう一度読んでみてくださいね。
■亜鉛は免疫の最重要ミネラル
では、風邪をひいた時に摂りたい栄養の解説です。
まずは、亜鉛!
亜鉛には細胞の分裂や新陳代謝を促す働きがあるため、免疫細胞を活性化させ、免疫力を維持するには不可欠なミネラルになります。
しかも、【粘膜免疫】【全身免疫】の両方の細胞はもちろん免疫をコントロールする細胞にも大量に必要です。
また【自然免疫】の維持と【獲得免疫】をコントロールし、抗体の産生も調節してくれるのです。
アメリカの研究で、風邪のひき初めに亜鉛を補給した人は普通の人より回復が早いという研究の結果もあります。
また、免疫の中心のリンパ球(インターフェロンを作る)や白血球にあるビタミンCが大量に消費されるので、ビタミンCも大切。
ビタミンCを飲んでも風邪には効かないという人もいますが摂る量が少なすぎるのです。
あとは、ビタミンDも免疫力をコントロールするビタミンです。
紫外線にあたるとビタミンDが作られますので、お天気がいい日は20〜30分、日光浴やウォーキングをおすすめします。
ビタミンDを活性化するマグネシウムとたんぱく質も一緒に摂りましょう!これで最強!
まとめ
・粘膜免疫・・・体内にウイルスや病原菌を侵入させないように防ぐ。
・全身免疫・・・粘膜免疫を突破して体内に異物が侵入した時に活躍する。
・自然免疫・・・体内に侵入したウイルスなどの異物と戦う。
・獲得免疫(抗体)・・・戦いながら情報を集めて正確で素早い攻撃を行う。
・風邪のひき初めには亜鉛、ビタミンC、ビタミンDを補給!
・ビタミンDを活性化するマグネシウムとたんぱく質も一緒に摂ること!