お味噌汁が食べたくなるミネラルの話
健康管理士一般指導員の國重です。
ちょっと知るだけで、健康につながる情報をお届けいたします。
突然ですが、みなさまは『お出汁』を取って味噌汁を作っていますか?
「出汁入り味噌なので、お出汁は使いません」「簡単な粉末の味噌汁です!」という方も多いのではないでしょうか。
『お出汁』が体にいいのは知ってるけど、実は免疫力にもいいんです!
そういえば、子供のころ夏休みに「いりこ」を1袋食べて怒られたことがあるけれど、今考えると「たんぱく質」「カルシウム」「鉄分」「DHA」「EPA」なんかも摂れるんですよね。優れものです。
怒られた次の日に「いりこ」の佃煮が食卓に出てきました。
おばあちゃん、ありがとう!
本日は『お出汁』と「味噌」の話ですが、微量ミネラルの役割をお伝えします。
■『お出汁』のお話の前に味噌
出汁をとって、味噌を溶いて豆腐切って、乾燥ワカメ入れて・・・味噌汁を作るのって大変!
でも、体にいいなら作ってみたいと思いませんか?
味噌を選ぶなら褐色が濃い2年ものの豆味噌がおすすめで、濃い色はメラノイジンが多い証拠です。
メラノイジンはビタミンEやCよりも抗酸化作用が強いので、動脈硬化、コレステロールや血流などにも良い効果があります。
また、味噌のアミノ酸は、大豆の植物性たんぱく質が発酵により分解されたものです。それによって消化吸収されやすいのです。
他にも炭水化物や脂質、ビタミン、ミネラルも複数種類入っており、味噌は他に類をみない栄養の宝庫です。
■微量ミネラルの役割
ミネラルには、主要ミネラルと微量ミネラルがあり、1日の必要量が100mgより少ないと微量ミネラルになります。
不足が叫ばれるカルシウムやマグネシウムは主要ミネラルですが、過去のお話でよく登場する鉄、亜鉛は微量ミネラルになります。
味噌汁の場合、具材のミネラルもまるごと摂れる調理方法なのです。
鉄は、ほとんどの女性に足りないミネラルです。
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)や肩こり、貧血の人は特に意識してください。
亜鉛も大事で、たんぱく質の合成や発育、成長を助け、糖代謝や免疫やお肌にも亜鉛が必要です。
銅は鉄の吸収や貯蔵に役立ちますし、体内で鉄と同じように血液を作るのにも役立ちます。
欠乏すると貧血や成長障害を起こします。
コバルトもビタミンB12の構成成分ですので、赤血球やヘモグロビンが生成される際に鉄の吸収を促進する働きをもっています。
鉄を摂っても貧血が治らない場合は、銅やコバルトの欠乏も考えてみた方がいいかもしれません。
酵素の働きを助けるのがマンガンで、骨代謝、糖代謝、脂質の代謝を助けています。
また、抗酸化作用のあるSOD酵素の構成成分でもあります。
モリブデンも糖代謝、脂質代謝にかかわり、尿酸をつくる時に必要な酵素の働きを助けています。
クロムはインスリンを活発にする、コレステロール、たんぱく質の代謝にかかわっています。
ヨウ素は過剰も不足もダメなミネラルですが、海藻を食べていれば不足はありません。
新陳代謝の調節を行う甲状腺ホルモンの構成要素です。
■『お出汁』からとれる微量ミネラルはセレン
『お出汁』と「味噌」でちゃんと味噌汁を作れば、鉄や亜鉛などのミネラルが摂れます。
豆腐を入れるとたんぱく質、昆布やワカメを入れるとヨウ素など自分に合った具を工夫するのも楽しいところ!
そして『お出汁』を取ると、若返りのミネラル「セレン」が摂れます。
セレンは、免疫とアンチエイジングに役立つミネラルです。
体内の活性酸素はウイルスや菌を退治する時に役立ち、ウイルスや菌が侵入した時には活性酸素は激増します。
しかし増えすぎた活性酸素は酸化ストレス、がん、老化、生活習慣病の原因のように細胞傷害をもたらしてしまいます。
そのため、生体内には抗酸化防御機能を備えています。
その一つが、グルタチオンペルオキシターゼです。
グルタチオンペルオキシターゼは、グルタチオンを使って活性酸素を水に変え無害化してくれるのです。
そして、グルタチオンペルオキシターゼをつくる材料がセレンなのです。
前置きが長くなりましたが、鰹節やいりこはセレンが多いのでインスタントの味噌汁ではなく、『お出汁』を引いた美味しい味噌汁を毎日飲んで、ホッとする幸せも免疫力アップしてくれますし、コツコツと栄養素を摂ることができるのです。
グルタチオンとメラノイジンで最強!手作り味噌汁で若返りましょう♪
まとめ
・微量ミネラルとは、1日の必要量が100mg未満の必須ミネラル
・メラノイジンが多い濃い褐色の2年ものの豆味噌は、動脈硬化、コレステロールや血流にも良い効果がある
・味噌のアミノ酸は消化吸収されやすい!
・味噌は炭水化物や脂質、ビタミン、ミネラルも複数種類入った栄養の宝庫
・お出汁と味噌で味噌汁を作れば、鉄や亜鉛などのミネラルが摂れる
・免疫とアンチエイジングに役立つセレンは、鰹節やいりこに多い