健康診断の血液検査の結果見ていますか?結果から「自分の体」の状態を確かめよう。〜早期発見よりも予防ですよ!〜
健康管理士一般指導員の國重です。
ちょっと知るだけで、健康につながる情報をお届けいたします。
健康診断を受けられる方は、血液検査の結果が帰ってくる前にぜひ、読んでいただきたいです。健康診断の血液検査の読み方です。
糖代謝の項目で、Hba1c(ヘモグロビンエーワンシー)という項目があります。
「ヘモグロビン」は、赤血球中の鉄たんぱくの事ですが、Hba1cを「ヘモグロビン」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんね。
Hba1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、糖尿病の指標となります。
砂糖漬けになった鉄のことで、120日間の平均血糖値になります。
通常の血糖値のように健康診断前2~3日の食事を節制したとしても、数値がよくなることがありません。
そのため血糖値よりもHba1c(ヘモグロビンエーワンシー)の方が重視されるのです。
■健康診断の前は食事も水もダメ??
健康診断の前の夜は食事を21時までにすませ、水分も控えていたので喉が渇いたという話を聞きます。
しかし、朝起きて水やお茶を飲むなどはOKです。(水分も飲んではダメな場合は別途指示があります)
21時以降の食事がダメなのは、血糖値と中性脂肪が食事の影響を受けやすく正確な数字が計測できない為(胃部X線検査がある場合はもちろん)です。
朝起きて水分を摂った方がいいのは、血液検査が脱水の影響をうけるからです。
脱水の状況で、血液検査を受けると数値が上がる項目があるのです。
■肝機能の数値でたんぱく質不足を読む
AST(GOT)とALT(GPT)はアミノ基移転酵素といい、たんぱく質を作り替える時に働く酵素です。
数値的には幅がありますが、どちらも20くらいがベストの栄養状態です。
ASTは心臓に多く、ALTは肝臓に多い酵素ですが、体内で炎症が起きているときなどは高値になります。
ASTもALTもビタミンB6を使ってアミノ酸を運んでいるので、B6が不足していると両方が働かなくなります。
例えば、ASTが19でALTが15のようにALTが低い場合は、ビタミンB6不足の可能性があります。
反対に、ASTが15でALTが20のようにALTが高い場合は、脂肪肝が疑われます。
これはパスタ大好き、スイーツ好きに出やすい数値です。
ASTが9とALTが6などの低値の時は、痩せ型女性などに多く、たんぱく質不足の可能性が考えられます。
このように栄養の過不足を見る事ができます。
■クレアチニンは腎臓の数字
クレアチニンは普段は腎臓の数値で、高値になると腎臓の不具合が考えられます。
もしあなたが筋トレしているなら、数字が少しずつ上昇しているかもしれません。クレアチニンは筋肉量も反映しています。そのため女子より男子の方が高値です。
少しずつクレアチニン値が減少しているなら、ウォーキングでもして筋肉量をキープしてください。
筋肉量は簡単には増えないので目標はキープです。
心当たりがないのに急に増えたら脱水かもしれません!
■総コレステロールが高いのに先生から何も言われない?!
コレステロールも気になりますよね。動脈硬化怖いですもんね。
かくいう私も総コレステロールが高いですが、先生から何も言われません。(HDLが高いからです。)
最近は、総コレステロールよりLDLとHDLの比率が大切といわれているのです。
そこで、脂質異常症が気になる人に計算して欲しいのが、LH比です。
実はコレステロール値が正常値なのに心筋梗塞になったという人が多い為、LH比のバランスの方が注目されているのです。
LDLコレステロール÷HDLコレステロール=動脈硬化の進行度合です。
LH比が1.5以下は健康な状態です。
2.0以上はコレステロールの蓄積が増えて動脈硬化が疑われる。
2.5以上は血栓が疑われ、心筋梗塞のリスクありです。
LDLを減らすには、DHA・EPAや大豆製品、ビタミンC・Eが摂れるお野菜。
HDLを増やすには、禁煙する、体重を標準体重にする、1日40分のウォーキングを週5日続けてみる。
40歳過ぎたら健康診断の目的は、早期発見・早期治療といわれています。
しかし、自分の体調は自分にしかわかりません。
健康診断の早期発見ではなく、積極的予防の方がコストパフォーマンスが高いかもしれませんね。
まとめ
・Hba1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、糖尿病の指標
・B6が不足しているとAST(GOT)とALT(GPT)が働かなくなる
・クレアチニンは腎臓の数値で、筋肉量も反映する
・総コレステロールよりLDLとHDLの比率が大切
・LDLコレステロール÷HDLコレステロール=動脈硬化の進行度合