「モラハラ被害者かどうか」を見極める方法 (モラハラ被害者チェックシート付き)
ココカラ夫婦物語 講義26 |講師:高草木 陽光
「モラハラ被害者かどうか」を見極める方法 (モラハラ被害者チェックシート付き)
「モラル・ハラスメント」(モラハラ)とは、身体的な暴力ではなく、言葉や態度によって精神的な苦痛を相手に与えるDVの一種です。
現代、問題になっている多くが夫婦間のモラハラです。どちらかというと、夫が妻にモラハラをするケースの方が多い傾向がありますが、近年では妻がモラハラ加害者である場合も増えてきています。
モラハラ加害者は、「自己愛性パーソナリティ障害」(NPD)という精神疾患で、治療の対象となる人もいますが、本人には自覚がないため、そのような人が積極的に治療に専念することはほとんどありません。従って、改善はほぼ不可能だと言われています。
また、自己愛性パーソナリティ障害とは違い、「男尊女卑」の考えが極端な男性が、妻に対して一方的に自分の思想を押し付けるタイプのモラハラ夫も存在します。このタイプは、妻の主張や行動によって自分の言動の間違いに気付き、心改めようと努力する場合もありますが、改善は簡単ではありません。
自分はモラハラ被害者なのか?
他者から見たら、確実にモラハラ被害者であるにもかかわらず、無駄なガマンをして耐えている人も少なくありません。
長年モラハラの被害を受けている人は、正常な判断をすることが難しいのが現状です。下記のチェックシートを試して、自分を客観的に見つめてみましょう。
【モラハラ被害者チェックシート】
1:「自分を怒らせるのはオマエが悪い」と言われる。
2:夫(妻)は他人の前では良い夫(妻)をアピールするなど、外面がいい。
3:夫(妻)が言うことがすべてで、こちらの意見は尊重されない。
4:私に決断させて、その結果が悪ければ私のせい、良ければ自分のおかげにする。
5:夫(妻)は自分よりも肩書きが上の人には態度が変わる。
6:説教やダメ出しをして私の自尊心を傷つけるので、自信を失ってしまう。
7:友人や親族の前で恥をかかせるようなことを平気で言われる。
8:怒りの原因に一貫性がないため、何かをしてもしなくても同じように怒られる。
9:気に入らないことがあると無視をするので、そのたびに不安になる。
10:大きな声を出して威嚇したり物に当たったりするので、怒らせないように毎日気を遣っている。
11:急に優しくなったり泣いてすがったりするので、見捨てることに罪悪感を抱いてしまう。
12:話し合いをしても問題をすり替えられてしまうので、その度にモヤモヤする。
13:私を褒めたり認めたりしてくれない。
14:人格を否定することを言われる。
15:自分にはお金を使うが私や他の家族にはケチで細かい。
16:相手の両親のどちらかがモラハラの傾向がある。
17:友達や両親との交流を制限される。
18:常に否定的で私に共感してくれたことがない。
19:平気でウソをつく。
20:自分が言っていることが常に正しく、非を認めることはない。
1〜20は、典型的なモラハラの特徴です。
上記の内容に3つ以上当てはまり、現在 夫(妻)に対して違和感がある人は、いつの間にかモラハラに洗脳されてしまう可能性があるので注意が必要です。
モラハラ被害者がするべきこと
モラハラ被害者だと感じたり、辛くて苦しいと感じたりしている状況なら、まずは情報を集めてください。そして、周りの人に助けを求めましょう。専門家や信用できる他者にこれまでの経緯を説明し、自分が置かれている状況が正常の範囲なのかを確かめるのもいいでしょう。
言っておきますが、モラハラ夫(妻)を更生させようとしたり、改善を促したりしても無駄です。自分が疲弊し、壊れてしまう前にモラハラ夫(妻)からなるべく早く安全に離れる方法を考えてください。
また、モラハラが行われるのは“密室”であるため「周りの人に理解してもらいにくい」という特徴があります。そのため、重要なのは「証拠」です。毎日の日記や録音、動画などの記録が、いざという時にあなたを救ってくれる“切り札”となるのです。
モラハラ夫(妻)と離婚したくない場合
どんなにモラハラされていても「離婚はしたくない」「離婚以外で出来ることはないか?」と考えている人も少なくありません。自分で出した結論であるなら、そういった思いも尊重されるべきだと思います。
ですが今後数十年、今とまったく変わらない生活は想像以上に苦しいでしょう。
モラハラ夫(妻)と一緒に暮らしながらできる改善方法は、相手を変えることは考えず、“自分の思考や態度を変える”しかありません。その結果、もしかすると自然と相手も変わってくれることがあるかもしれません。
たとえば、今まで何かあるごとに相手に「ごめんなさい」と何度も謝っていたのを、理不尽なこと以外は1度だけの「ごめんなさい」で済ませる。
「できないことはできない」とハッキリさせる。「ちょっとそれは無理なので、他の方法を一緒に考えましょう」など、自分の“意志”を言葉にすることで、これまでと違う相手に“不安”や“戸惑い”が生じ、少しずつ変化していくこともあります。
何年間もモラハラの被害者だった人にとって、最初の1歩を踏み出すことは勇気がいることだと思います。そのため、事前に他者に相談して“味方”を作っておくことや、情報収集、証拠集めなどは必須となってきます。
とにかく行動に移さなければ、いつまでも今のままです。どうか、あなたの毎日に平和が訪れますように……
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講師プロフィール
高草木 陽光(たかくさぎ・はるみ)
講師インフォメーション
▼著書《なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか》