「レス解消」に必要な5つのステップ
ココカラ夫婦物語 講義25 |講師:高草木 陽光
「レス解消」に必要な5つのステップ
夫婦間の悩みは、人に相談しづらいと思っている人が少なくありません。
そのなかでも、「セックスレス」の問題は特にそのような傾向があり、年齢が高くなればなるほど、誰にも言えずひとりで抱え込んで悩んでいる人が多いと感じます。
結婚3年目で2年間セックスレスの女性。結婚20年で10年間セックスレスの女性など、その期間は様々です。
このように妻側が不満を抱えて悩んでいる場合も少なくないのですが、やはりどちらかというと夫が妻から拒否され続けて離婚まで考えてしまうケースのほうが多い印象です。
ところで、セックスレスの「定義」をご存知でしょうか。
セックスレスとは、『日本性科学会』によると「特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1カ月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合」となっています。
つまり、挿入だけにこだわるのではなくて、体に触れ合ったりキスしたりすることでお互いが満たされるのであれば、セックスレスではないということです。
セックスレス問題が起きる夫婦は、どちらか一方が不満だと感じて、その状況が長く続いてしまうことなのです。
コミュニケーション不足がセックスレス夫婦を増加させる
セックスレスに悩んで相談に訪れる人は、男女ともに夫婦間のコミュニケーションが圧倒的に不足しています。
普段の会話さえまともにしていない夫婦が、セックスレスを解消できるはずがありません。
つまり、コミュニケーション不足の積み重ねがセックスレスを招いてしまうと言っても過言ではないのです。
現在セックスレスで悩んでいる人も、今後が不安な人も、今から夫婦間のコミュニケーションを見直すことで、改善や予防の道が開けることでしょう。
夫婦の距離を縮めるコミュニケーション
コミュニケーションとは、ただ会話をして終わりということではありません。
相手の気持ちや考えをキャッチしたり、自分の思いを伝えたりしながら離れ気味だった心の距離を縮める「対話」をしなければ意味がないに等しいのです。
セックスレスを解消するには、肌に触れ合うことよりも先に“心”を通わせ、お互いリラックスして穏やかでいられる環境づくりをすることが必須ですが「リラックスする」ということと「だらしない」ということの区別ができない人もいますので、その辺は間違わないようにしましょう。
【ステップ1】自分を磨く
「太ったから嫌いになった」とか「服装に気を遣わなくなった」とか、そんなことで夫婦関係が壊れてほしくはないですが、“視覚”から受ける印象やイメージは夫婦間でも大事なことです。
目の前にいる妻が「トドのようなビッグサイズになってしまって色気のイの字も感じません」と悲しんでいる夫を目の当たりにすると、私も少なからず同情してしまうこともあります。
それは、もちろん妻だけに言えることではなく夫側も同じです。
「歯も磨かずお風呂にも入らず寝てしまう」「太り過ぎ」「加齢臭が酷い」など、清潔感ゼロの夫とセックスをしたいとは誰も思いませんから。
何歳になっても結婚数十年経っても、多少の“美の追求”と“清潔感”は忘れないほうがよさそうです。
まずは、今日からできることを少しずつ実行していきましょう。
たとえば、ヘアスタイルをガラッと変えてみたり、夫婦で食生活を見直してみたり、健康のためにも一緒にウォーキングを始めてみたり共通の日課や目的を持つことで必ず何かしらの変化が起こります。
【ステップ2】「プラスα」の一言を添える
相談者のなかには、挨拶をする程度で「コミュニケーションをとっている」という認識でいる人もいます。
挨拶は、もちろんしないよりする方がいいですが、挨拶をきっかけに「プラスα」として一言添えてお互いが気持ち良く会話のキャッチボールができるよう工夫してみてください。
例1)「おはよう。夕べはよく眠れた?」
例2)「いってらっしゃい。今日も1日頑張ってね〜」
例3)「ご馳走様でした。やっぱり家で食べるご飯が一番美味しいね」
このように、簡単なプラスαの言葉を付け足すだけで会話の幅が広がります。
まずは難しく考えず、自分が言われたら嬉しい言葉を想像してプラスしてみてくださいね。
【ステップ3】簡単な頼みごとをしてみる
人は、「必要とされている」「役に立っている」と感じることで自己重要感が満たされ、幸福感や満足感を感じる傾向があります。
たとえ自分で出来ることであっても、あえて夫にお願いして頼ってみることで、妻に対して愛おしさや女性らしさを改めて感じてもらえる良いチャンスとなるでしょう。
当然ですが、その後の感謝の言葉は必須です!
例1)手が届かない振りをして、高い所にあるものを取ってもらう。
例2)握力がない振りをして、ビンやペットボトルの蓋を開けてもらう。
例3)か弱い振りをして、重い荷物を持ってもらう。
但し、夫が妻に「頼みごとをする」というのは逆効果になることが多いので注意してください。
男性の場合は、進んで腕力や体力を活かした頼もしさや包容力を存分に発揮して「男」をアピールするようにしてください。
【ステップ4】スキンシップの復活
これまでの1~3を実行することで、かなり夫婦間の距離が縮まることは間違いありません。
そして、セックスレス解消や予防のために次に実行することは「スキンシップ」です。
たとえば、“健康”についての話をしながら、さり気ないボディタッチやお疲れ様の肩もみ。そして、ふざけながらハグをしたり手をつないだり……。
会話のコミュニケーションの段階を経ることで、スキンシップコミュニケーションのハードルもだいぶ低くなっていくことが実感できるに違いありません。
夫婦にとって「セックスだけが大事」ということはありませんが、普段のコミュニケーションは問題ないのに余りにも相手が拒否するようなら、ただ単に「愛情がない」ということではなく、ストレスや鬱からのED(勃起不全)なども考えられるので、真摯に寄り添い改善に向けて協力していくようにしましょう。
女性の場合は、家事や育児の疲れやストレスも大きな影響を及ぼしますので、夫の協力と理解が不可欠です。
【ステップ5】旅行に誘ってみる
セックスレスを解消するきっかけの1つとして、「環境を変える」という方法があります。
自宅では寝室が別々だったり、寝る時間がバラバラだったりする夫婦も少なくありません。
そこで、近場でもいいので1泊以上の旅行に出かけることをオススメします。
先日ようやく、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針が廃止されました!
このゴールデンウィークは、どこの観光地も大勢の人で賑わっている様子がテレビのニュースで何度も流れていましたよね。
美味しいものを食べ、美しい景色を見て夫婦や家族で時間を共有することは、忙しい人たちにとって貴重な時間です。
加えてリラックス効果もありますから、心も体も解放的になります。
たまには、お子さんをご両親に任せ、夫婦ふたりだけで旅行に行くというのもアリだと思いますよ。
1日も家を空けることができない場合は、恋人時代のようにランチやディナー後にラブホテルを利用するのもオススメです。
ステップ1〜ステップ5と、段階を経て取り組んでいくことで、違和感なく自然とお互いを大切に思う気持ちを表面に出しやすくなります。
いつか必ず子どもが巣立ち、長い夫婦ふたりだけの時間を過ごすときが訪れます。
そのときのために、今から真剣に“夫婦のこと”考えてみてはいかがでしょうか?
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講師プロフィール
高草木 陽光(たかくさぎ・はるみ)
講師インフォメーション
▼著書《なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか》
▼イラストレーター 多田 景子 ホームページ