夫婦喧嘩は「児童虐待」です
ココカラ夫婦物語 講義27 |講師:高草木 陽光
夫婦喧嘩は「児童虐待」です
「夫婦喧嘩は犬も食わない」とはよく言ったものですが、実はそんな軽く済まされる話ではないかもしれません。
子どもの前で夫婦喧嘩をすると「児童虐待」だということをご存知でしょうか?
何気ないことで夫婦が言い合いになり、お互いヒートアップしてご近所に丸聞こえだった場合、もしかしたら警察に通報されてしまう可能性もあります。そのとき子どもが一緒にいた場合、警察は児童相談所に連絡することもあります。
そうなると必ず後日、児童相談所の職員が自宅を訪れ、聞き取り調査を行うことになるのです。
親の都合で繰り広げられる夫婦喧嘩が、なんの責任もない子どもを苦しめていることを、私たち大人はもっと重く受け止めなければいけません。
【子どもの脳が萎縮する!?】
激しい夫婦喧嘩を見たり聞いたりしながら育った子どもは、脳が萎縮し、記憶力や学習能力が低下してしまうという研究結果もあります。
成人してからも感情のコントロールができなかったり、暴力や暴言がトラウマになってしまったり、自分が暴力を振るうことに抵抗を感じないようになってしまうこともあります。
昨今、実の親や義理の親に虐待され、幼い命が失われてしまう悲しい事件が増えています。
また、子どもの頃に虐待をされたり、親同士の激しい夫婦喧嘩が絶えない環境に晒されたりして育った子どもは、大人になってから自分の親と同じような暴力行為をしてしまう確率が高くなる傾向があります。
そのようなことを踏まえて考えてみると、将来的にキレやすい暴力的な大人をつくらないようにするためには、現在大人である私たちが、いまの子どもたちを見本となる環境の中で育てていくしかないと思うのです。
その見本のひとつが、「子どもの前で夫婦喧嘩をしない」ということです。
とはいえ、気を付けてはいても感情的になってしまうのが夫婦。
喧嘩を絶対にしてはいけないということではなく、ただお互いの感情をぶつけ合うだけの答えが出ない無駄な喧嘩は、子どものためにも何がなんでも避けるべきなのです。
【無駄な喧嘩をしないために自分ができること】
・相手の土俵(挑発)に乗らない。
・喧嘩の目的を改めて考えてみる。
・相手を言い負かそうとしたり勝とうと思わない。
・相手の言葉や態度にイラっときたら深呼吸をする。
・相手を責めるのではなく、“自分の気持ち”を伝える。
・声が大きくなってヒートアップしてきたら、一時休戦する。
・「喧嘩をして何が得られるのだろう?」と冷静に考えてみる。
・「自分は、何に腹を立てているのだろう?」と冷静に考えてみる。
・相手の言い分を最後まで聞いて、一旦受け止めてから自分の考えを伝える。
【負の感情を落ち着かせる方法】
男性の相談者からよく聞く話は、「夜の10時から明け方まで説教された」「毎日責め続けられて寝かせてもらえない」というような、夫が妻に数時間にわたり責め続けられ、仕事にも影響がでているというケースです。
こうなると、夫婦喧嘩というよりも“拷問”に近いかもしれません。
何時間も、よく責める内容があるなぁと冷静に思ってしまうのですが、このようなタイプの女性は、過去の話をほじくり返しながら同じ話を何度も繰り返しているだけで、“この時間”には、なんの生産性もありません。
ですが女性であれば案外、同じようなことをしたことがあるという人は少なくないかもしれません。
というのも、これまでの相談で「自分の理想通りの応えが返ってくるまで夫を寝かせない」とか「何時間も責めてしまう」という女性を何人も見てきたからです。
このように自己コントロールができない人は、子どものためにも、夫と「生産性のある夫婦喧嘩」について、冷静なときに一度話し合ってみてはいかがでしょう。
もう一つ……私がお勧めしている方法があります。
それは、自分が言ってもらい言葉を相手に直接“リクエストする”というシンプルな方法です。
これが案外効果的なのです!
例えば「“ありがとう。大好きだよ”と言って」とか「“ごめんね。君は間違っていないよ“って言って」というように、自分が言ってほしい言葉をリクエストして、実際に言ってもらうのです。
不思議なことに、たとえそれが棒読みだったとしても負の感情が落ち着くので、ぜひ試してみてくださいね。
ムダな喧嘩にパワーを使うのではなく、大事な家族の笑顔のためにパワー全開で過ごしましょう。
***
ご受講後のお願い
今回の「ココカラ夫婦物語(連載)」はいかがでしたか?
ぜひ、ご受講の証として、スキ❤️を押してくださいね。
ココカラPark編集部の励みになります!
(*会員登録されていなくてもどなたでも記事の右下のハートマークを押してくださいね!)
講師プロフィール
高草木 陽光(たかくさぎ・はるみ)