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「妻のホンネと建前」を知って絆を強める対話法

ココカラ夫婦物語 講義38|講師:高草木 陽光
「妻のホンネと建前」を知って絆を強める対話法

結婚生活の中で、夫と妻は言葉のコミュニケーションを通じてお互いを理解し合おうとします。しかし、時には妻の言葉が夫にとって難解に感じられることもあります。妻が発する言葉には、表面的な意味(建前)と、内心の本当の気持ち(ホンネ)が存在することが多いためです。

今回は、「妻のホンネと建前」というテーマを掘り下げて、夫婦間のコミュニケーションの深い理解を目指します。 

1. 「大丈夫」という言葉の意味

妻が「大丈夫」と言ったとき、その言葉の裏には多くの意味が隠れていることがあります。この言葉は、妻が本当に問題がないと感じている場合もありますが、多くの場合、彼女の本心は異なることが多いのです。

建前: 「大丈夫、問題ないよ」
ホンネ: 「実は問題があるけれど、今は話したくない」あるいは「あなたに心配をかけたくない」

妻が「大丈夫」と言ったとき、夫はその言葉をそのまま受け取らず、妻の気持ちや状況をもう少し深く探るクセをつけることが大切です。優しく「本当に大丈夫? 何か手伝えることはない?」と尋ねることで、妻は安心してホンネを話しやすくなります。

2. 「好きにして」という言葉の意味

「好きにして」という言葉も、表面的な意味とは裏腹に、妻の本当の気持ちが隠されていることが多いです。

建前: 「あなたの好きにしていいよ」
ホンネ: 「“私はこうしてほしい”という気持ちがあるけれど、あなたが私の気持ちを理解してくれるか試している」

この場合、夫が単純に「好きにして」と解釈するのではなく、妻の気持ちや希望を汲み取ることが求められます。例えば、「本当に好きにしていいの? 君の意見も聞きたい」と尋ねることで、妻が心の内を明かしやすくなります。 

3. 「なんでもいい」という言葉の意味

「なんでもいい」という言葉も、妻の本音とは異なることが多いです。

建前: 「本当に何でもいいよ」
ホンネ: 「実は、特定の希望や意見があるけれど、あなたにそれを感じ取ってほしい」

この言葉を聞いた夫は、妻が本当に何でもいいと思っているわけではないと理解することが重要です。

「本当に何でもいい? 具体的に何か食べたいものや行きたい場所があったら教えて」や「AとBならどっちがいい?」と質問することで、妻が心に抱えている希望を引き出しやすくなります。

4. 「一緒にいたい」という言葉の意味

妻が「一緒にいたい」と言うとき、その言葉の背後には深い感情が隠れていることがあります。

建前: 「一緒に時間を過ごしたい」
ホンネ: 「あなたとのつながりを感じたい、もっと親密になりたい」

この場合、夫がその言葉を単なる時間の共有と解釈するのではなく、妻の感情やニーズを理解することが重要です。

例えば、「そうだね。週末はゆっくり過ごそうね。何かしたいことはある?」と尋ねることで、妻の気持ちに寄り添うことができます。

5. 「私のことはいいから」という言葉の意味

「私のことはいいから」という言葉も、妻のホンネとは異なることが多いです。

建前: 「私のことは気にしないで」
ホンネ: 「本当は私のことも気にかけてほしいけれど、あなたの負担になりたくない」

この言葉を聞いた夫は、妻が本当に気にしないでほしいと思っているわけではないと理解することが重要です。「君のことも大切に思ってるよ。何か僕にできることがあれば教えて」と言うことで、妻が心の中に抱えている気持ちを楽に話せるようになります。

6. 「忙しいから後で」という言葉の意味

妻が「忙しいから後で」と言ったとき、その言葉には実際の忙しさ以外の理由が隠れていることがあります。

建前: 「今は忙しいから後で」
ホンネ: 「今は話す気分じゃないけれど、後でちゃんと話したい」

夫がこの言葉を聞いたとき、単に「後で」と解釈するのではなく、妻の感情や状況を理解することが重要です。「わかった、落ち着いたら話そう。いつでも声をかけて」と優しく言うことで、妻が安心して後で話せるようになります。

7. 「嫌いではない」という言葉の意味

最後に、「嫌いではない」という言葉は、「嫌い」と言い切れない要素がたくさんあるけれど、不満に思うことも同じくらいあるということです。また、この言葉は「好きではない」という妻のホンネをオブラートに包んだ“優しさ”や深い感情が隠れていることもあります。

建前: 「あなたのことは嫌いではない」
ホンネ: 「あなたに対して結婚前や新婚当初のような気持ちはない。でも、家族として大切に思っているし、"情"はある」

「嫌いではない」と言われたら、その言葉の“言い方の意味”を理解し、「好き」とも「嫌い」とも断言できない(しない)心情が隠れていると認識することが大切です。

「ありがとう。でも、きっと心に溜め込んでいることがたくさんあるんだよね。気にせず話してみて」と伝えることで、妻がホンネを話しやすくなり、安心感も高まります。


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講師プロフィール

高草木 陽光(たかくさぎ・はるみ)

夫婦問題カウンセラーとなり、これまで、およそ1万人のカウンセリングを行う。「直そうとしないで、わかろうとするカウンセリング」をモットーに、夫婦問題で悩みを抱えている人の心に寄り添いながら、解決への糸口に向けてお手伝いをしている。
美容師、育毛カウンセラーを経て、結婚を機に専業主婦となったが、夫の束縛や価値観の押し付けに違和感を覚え、「結婚生活とは何か」ということを深く考え始める。「離婚カウンセラー」という職業があることを知り、自分たち夫婦だけでなく、夫婦関係で悩んでいる人たちのために必ず役に立つと確信し、2009年に「NPO法人日本家族問題相談連盟」の認定資格を取得。【メディア実績】
・NHK総合「ニュース シブ5時」「あさイチ」
・フジテレビ「ホンマでっか!?TV」「ノンストップ!」「バイキング」
・TBS「ビビット」「グッとラック!」
・テレビ朝日「羽鳥慎一 モーニュングショー」他。
【著書】
・なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか(左右社)
・心が折れそうな夫のためのモラハラ妻解決BOOK(左右社)
・ホンネがわかる妻ことば超訳辞典(青春出版社)

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