お花見気分を盛り上げてくれる日本酒
にほん酒はじめ 講義18|講師:葉石かおり
お花見気分を盛り上げてくれる日本酒
何かにつけてお酒を飲む機会を狙って…、いや、もとい飲む機会を設けるのが大好きな日本人ですが、一年の中で最も(?)大手を振って飲めるのがお花見シーズンなのではないでしょうか?
かの秀吉だって、今から500年以上も前に京都の醍醐寺で花見の宴を催し、「飲めや、歌えや」の大騒ぎ(見てないけど)。
そう、昔っから花見シーズンは、お酒好きにとって最高の季節なのです。
さて、お花見に欠かせないお酒ですが、皆さんはどんなお酒を選びますか?私はもちろん日本酒。でもそこには小さなこだわりがあります。
それは「花」にちなんだ日本酒であることです。
それは例えば「さくら」とつくものであったり、桜色をしていたりと、その年によって変わります。
ということでお花見にはちょっと早いけれど、今年、私が選んだお酒をご紹介しますね。
一本目は一口飲めば「幸せが止まざる」山口県のお酒、『花より山猿』(永山酒造)です。
お米感のあるしっかりとした辛旨口のお酒を得意とする蔵ですが、春限定の『花より山猿』は蔵史上初のスイートな味わいのお酒。
スイートというと、辛党の方は「えっ、甘いの?」と飲む前に敬遠しがちですが、そこは辛旨口酒のホープ、単に甘い酒は造りません。
香りはフルーティながらも、米の旨味もほど良くあり、酸味をプラスすることによって、後キレのいい味わいに仕上げています。
リンゴやバナナを思わせるフルーティな香りを持つお酒は、冷やして白ワイングラスで飲むことで、より一層、甘い香りが引き立ちます。
合わせたいおつまみは、マリネやサラダなどエキストラバージンオリーブオイルを使ったものがおすすめ。
生のまま使う上質なオリーブオイルはフルーティな香りを持っているので、それがまたお酒の甘い香りと共鳴し合うのです。
そして注目していただきたいのはかわい~いラベル。
ピンクのグラデーションのお花が上品にデザインしてあり、中央にはこれまたキュートなおさるさんの顔が。
これは間違いなく、女性から支持を得そう。
こちらのシリーズは春夏秋冬で限定酒が出ますので、蔵のブログやインスタをチェックしてみてくださいね。
続いてはこちらも「福を呼ぶお酒」として知られる、福井県の『SAKURA ROCK 天然吟香酵母さくら仕込み』(田嶋酒造)です。
名前からもう想像できちゃった方もいますよね。
そう、こちらのお酒は桜から培養した酵母を使って醸したもので、それもロックスタイルで飲むお酒なんです。
ロックで飲むというと、本格焼酎のイメージがあると思いますが、日本酒だってロックで飲んだっていいんです。邪道なんかじゃないんです!
ただしどんなお酒でもいいわけではなく、このお酒のようにアルコール度数が高く、しっかりした味わいのものがロックに向きます。
蔵元直伝の飲み方は以下の通り。
① まずはグラスに氷をたっぷり入れる。
② そこに常温の『さくらロック』を7分目くらい(約90ml)注ぐ。
③ 氷が少しとけるのを我慢して、ここぞとばかりに飲む!
(濃いと感じる人はお好みで水割りもOK!)
④ 今までの日本酒にはない華やかな香りとキレの良い旨みを堪能する。
氷が溶けるにしたがって、味が変わっていくのもまた楽しく、ロックで飲むことで、今までにない日本酒の新しい魅力を発見できます。
スッキリとした飲み口なので、どんなお料理にも良く合うというのも嬉しいですよね。
特に揚げ物や、焼き鳥に良く合います。
ロックで飲むと目先も変わるし、何よりも話題に事欠きません。
そうそう、話題と言えば、こちらの蔵ではワイン酵母で造ったお酒をオーク樽で貯蔵した『オーク樽仕込み PURE RICE WINE』もあります。
チョコレートやドライフルーツと好相性。
セットで持参しても良さそうですね。
お花見シーズンは各蔵がこぞって、春に向くお酒をリリースします。
日本酒売り場に力を入れているデパートですと、蔵の方が直々に試飲販売していることも。
この機会にお気に入りの一本をみつけてくださいね。
<Information>
▼「SAKURA ROCK 天然吟香酵母さくら仕込み」こちらから
▼「オーク樽仕込み PURE RICE WINE」こちらから
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講師プロフィール
酒ジャーナリスト、エッセイスト
一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション理事長
葉石 かおり(はいし かおり)
講師インフォメーション
▼著書 「名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義」