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「夫源病」になりやすい人、なりにくい人

ココカラ夫婦物語 講義16 |講師:高草木 陽光
「夫源病」になりやすい人、なりにくい人

「夫源病」とは?

・動悸がする。
・不眠が続いている。
・めまいや頭痛がする。
・家事をする気力がない。
・だるさや疲れが取れにくい。
・わけもなく泣きたくなる(涙がでる)。
・原因不明の湿疹や蕁麻疹ができることがある。

上記のような症状が、「“夫”がいるときに顕著に現れる」という場合、もしかすると貴女は「夫源病」(ふげんびょう)かもしれません。

夫源病とは、夫の言動や存在そのものが大きなストレスとなり、妻の心身に様々な不調が現れる病気です。

しかし、夫源病は、医学的に認められている病名ではなく、中高年のメンタルケアに取り組む医師、石蔵文信さんが命名した病名です。

夫源病の特徴は、「夫が原因で心身に異常をきたす」ということです。

冒頭に挙げたような症状が、夫と一緒にいるときや、夫が原因で起こったり続いたりしている場合は、夫源病の可能性があるかもしれません。

妻を夫源病にしてしまう「夫の特徴」

・態度や言葉が威圧的だ。
・感謝の言葉を口にしない。
・否定的な指摘や小言が多い。
・言ってもやらない、動かない。
・妻への依存心や嫉妬心が強い。
・口数が少なく、自分の気持ちや意見を言わない。
・他者との交流も趣味もなく、家にいることが多い。
・家事などの家のことは妻がやって当たり前だと思っている。

私のところには、夫源病だと思われる女性からの相談が多く寄せられます。

そんな女性たちが語る夫の姿は……。

「熱が39度もある私に対して、夫が放った言葉は“オレの飯はどうするんだ”です。今では夫の帰宅時間が近づくと動悸がします」。

「私が出かける先や帰宅時間を事細かに聞いてきたり、付いてきたりするのがストレスなのですが、断ると不機嫌になるのでそれもストレスです。最近は不眠が続いています」。

「定年退職して時間があるにもかかわらず、自分のことも家のことも何ひとつやろうとしない態度に腹が立ちます。同じ空間にいるとイライラして動悸が激しくなるので、なるべく別室で過ごしています」。

このように、妻を夫源病にしてしまう夫は、妻を家政婦のように扱い、家事はもちろんのこと自分のことも妻に任せきりの夫や、威圧的な言葉や態度の夫、事細かに指示したり管理したりする夫などが目に付きます。

夫源病になりやすい「妻の特徴」

妻を夫源病にしてしまいやすい夫がいることも確かですが、それに加え“夫源病になりやすい妻”が存在するのも事実です。

次に、「夫源病になりやすい妻の特徴」を見ていきましょう。

・常に夫の顔色を伺ってしまう。
・悩みや愚痴を言い合える友達がいない。
・「子どもだけが生きがい」と感じている。
・言いたいことが言えずに我慢してしまう。
・真面目で我慢強く、人に頼ることが苦手。
・どちらかというと物事をネガティブに捉えがち。
・これといった趣意もなく、やりたいことも特にない。
・「いい妻」「いい母」でいなくてはいけないという思いが強い。

夫源病は、真面目で我慢強く、どちらかというと人付き合いが苦手な女性がなりやすい傾向があります。

つまり言い換えると、言いたいことが言えて、愚痴を言ったり相談したりできる友達がいて、物事をポジティブに捉えられる女性は、夫源病になりにくいと言えるかもしれません。

ですが、いくらポジティブ精神を備えもつ人であっても、我慢を美徳と捉えたり、「妻や母は、こうあるべき」という“べき論”が強かったりする女性は、知らず知らずのうちに自分を追い詰め、夫源病になってしまう場合もあります。

大事なのは、自分の正直な気持ちに向き合う“自己メンテナンス”の時間や、普段から夫と対話する時間を設けることです

夫源病にならないための「予防策」

・お互いを尊重する。
・お互いの心地よい距離感を確認し合う。
・2人に共通する交友関係を今から築いておく。
・日頃の不満をため込まず、その都度話し合う習慣をつける。
・やりたいことや趣味を見つけたり、夫の興味を引き出したりする。
・何でも自分でやってしまうのではなく、夫を頼って夫に動いてもらうようにする。

「夫源病かも」と思ったら?

心身に異常を感じ、「もしかして夫源病かも」と思ったら、まずは夫と距離をおくことを優先に考えてみてください。

夫源病は、夫と一緒に過ごす時間を減らすことで劇的に改善される場合も少なくありません。

「別居したら、ウソのように体調が良くなった」という人は大勢いますし、別居までしなくても「自分の意見をハッキリ言うようにしたら、夫も改めてくれ、私の体調も改善された」という人もいます。

また、「自分の用事を増やしたら、夫といる時間も必然的に減ったので精神的に楽になった」という女性もいます。

自分のできる範囲で改善を試みることで、何らかの変化をもたらすことができるのです。

「更年期障害かなと思ったら、夫源病だった」という人もいますので、もう一度自分の状況やストレスの原因に目を向けるようにしてみましょう。

これまで貴女の結婚生活は、“家族優先”だったかもしれません。

ですが、これからはもっと“自分”を優先して大事にしてあげることが、自分自身も家族も守ることにつながるのではないでしょうか。


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講師プロフィール

高草木 陽光(たかくさぎ・はるみ)

夫婦問題カウンセラーとなり、11年間で約9,000人のカウンセリングを行う。「直そうとしないで、わかろうとするカウンセリング」をモットーに、夫婦問題で悩みを抱えている人の心に寄り添いながら、解決への糸口に向けてお手伝いをしている。
美容師、育毛カウンセラーを経て、結婚を機に専業主婦となったが、夫の束縛や価値観の押し付けに違和感を覚え、「結婚生活とは何か」ということを深く考え始める。「離婚カウンセラー」という職業があることを知り、自分たち夫婦だけでなく、夫婦関係で悩んでいる人たちのために必ず役に立つと確信し、2009年に「NPO法人日本家族問題相談連盟」の認定資格を取得。【メディア実績】
・NHK総合「ニュース シブ5時」「あさイチ」
・フジテレビ「ホンマでっか!?TV」「ノンストップ!」「バイキング」
・TBS「ビビット」「グッとラック!」
・テレビ朝日「羽鳥慎一 モーニュングショー」他。
【著書】
・なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか(左右社)
・心が折れそうな夫のためのモラハラ妻解決BOOK(左右社)

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