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老後の不安をなくす「50代からの夫婦の生き方」

ココカラ夫婦物語 講義11|講師:高草木 陽光
老後の不安をなくす「50代からの夫婦の生き方」

厚生労働省が令和2年に公表した『簡易生命表』によると、2019年の男性の平均寿命が81.41歳、女性の平均寿命が87.45歳となり、過去最高を更新したとのことです。
『ココカラ大学』の受講生の皆さんのなかにも、そろそろ人生の折り返し地点に迫っている人がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、後半の人生の不安を減らし、生き生きと活発に過ごすための“50代からの夫婦の生き方”について掘り下げて考えてみたいと思います。

60歳以降の人生を心身共に健康で幸せなものにしたいと思っている人にとって、50歳〜60歳は重要な10年間になってきます。
「今が良ければそれでいい」という考えの人もいるでしょうが、そのような人も将来の不安が何もないわけではないと思うのです。
むしろ不安があるからこそ、考えないようにして、逃避している人もいるのではないでしょうか。

ところで、人は、なぜ不安になるのでしょう?
それは、結果が見えないからです。
これから起こることが想定でき、そしてその結果が事前にわかっているのであれば、人は不安に陥ることはないでしょう。
ですが、そのようなことは出来るはずがありません。
なら、今後起こり得ることを想定して、それに対応できる“対処法”を考えておくことが、ムダな不安に惑わされない唯一の方法です。

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1:不安への「対処法」を考え、今から準備する

(1)お金の不安
ただ漠然と、お金の不安を抱いていても何も解決はしません。
今後決まっている家族のイベントや、起こり得る事柄を想定し、収支の予測をしておくことで、数年後に向けて今から対策を練ることができます。
頭に入れておいたほうがいいイベントや事柄としては、たとえば 子どもの入試や入学、引越し、結婚、孫のお祝い、夫の定年退職、医療費、介護、冠婚葬祭、生命保険の満期や見直しなど。
また、第二の人生として起業したいと考えている人なども、今のうちからスキルアップしておくことや、独立資金を確保しておくことも重要です。

(2)健康の不安
年齢を重ねれば、身体のどこかに不具合がでてくるのも当然かもしれません。大病をしないためには、“予防”するしかありません。
まずは、基本的な「食事」「運動」「睡眠」、そしてストレスを溜め込まない生活を送ることが大事です。
人の体は、毎日の食事でつくられています。つまり、健康でいるための身体は、ある程度自分でコントロール可能だということです。
気持ちは20代のままでも、身体は確実に老いていきます。血圧やコレステロール値が高くなるのも50代前後からです。
今から毎日の生活習慣を見直してみましょう。

(3)介護の不安
「自分も親の介護をするときがくるのかな…」なんて、ぼんやり思うこともあるでしょう。まだまだ今は他人事でも、現実は突然やってくるかもしれません。
夫の両親に介護が必要になったときはどうするのか? 夫は協力してくれるのか? また、自分の両親の場合は? 
親が元気なうちにこそ、夫婦で話し合っておくことが大事です。
また、親の介護を経験したことがある人の話を聞いたり、施設や行政の介護サービスなどの情報を調べたりして、ある程度の知識を得ておきましょう。

(4)定年後の不安
50代の妻が抱いている不安で多いのが、夫が定年退職した後の夫婦の生活です。特に、これまで仕事一筋の“仕事人間”だった夫の場合は、家事育児すべてを妻に任せきりにしてきた男性がほとんどです。
そんな夫が、定年退職後には1日中家にいることになるわけですから、妻たちにとっては不安を通り越して“恐怖”でしかありません。
恐怖を感じながら“そのとき”を待つのではなく、今から少しずつ夫に自立してもらう対策が必要です。
根気がいる作業ですが、上手におだてながら家事をしてもらったり、趣味や友達を見つけるお手伝いをしてあげたりすることで、将来のあなたの負担がだいぶ軽くなることでしょう。

(5)最期の不安
「どう生きるか」を模索し、実行することは「どう死ぬか」ということにも直結してくると思っています。
昨今「終活」という言葉を耳にすることも増え、遺影の撮影を済ませたり、葬儀の形式や埋葬の種類を事前に選んだりすることも可能で、自分の“最期のイベント”を自分で決めることができる時代になってきました。
終活を積極的にしている人たちは、「子どもに負担をかけたくない」「最期のイベントは自分で企画したい」という思いが強い人たちが多いようです。
「死」について夫婦や家族で語ることは、「生きる」ということと同じくらい大切であり、必要なのです。

2:「いらないもの」は手放して身軽になろう

人生の後半を、幸せに満ちあふれ、充実したものにするためには、将来的な不安をピックアップし、その不安を取り除くための方法や、問題への対処法や対策を考えておくことです。そうすることで「今からやるべきこと」が見えてきます。
そして、「自分にとって本当に大切(必要)なものは何か?」「必要がないものは何か?」と自問してみてください。
本当に大切なものや必要なものがわかれば、「いらないもの」、つまり“必要じゃないもの”の答えも見えてくるはずです。
それは、“物”に限りません。思考や人間関係も然りです。
まだまだ動ける今のうちから少しずつ整理していくことで、いざというときに慌てずに済むでしょう。

3:「自立」が夫婦の未来を明るくする

子どもが巣立ってからの、夫婦2人だけの生活を想像する人は少なくないでしょう。あなたは、どんな夫婦でいたいですか?
1980年代に、『ライオン株式会社』の食器用洗剤「チャーミーグリーン」のCMが話題になりました。
おじいちゃんと、おばあちゃんが手をつないで歩く仲睦まじい姿が印象的なほんわかしたCMでした。
今でも、このCMを覚えている人が「年をとっても、あんな夫婦でいたい」と言うのにはビックリします。
それくらい、“憧れの夫婦像”として捉えている人たちが多くいるということなのでしょう。
そんな仲良し夫婦であり続けるにはどうしたらいいのでしょうか?
それは、「お互い自立する」ということです。
自立と言っても、別居したり離婚したりすることではなくて、一緒に生活しながらも、1人の時間を大切にすることや、自分のことは自分でする、家事分担をして助け合う、趣味を楽しむなどです。
夫や妻を頼りすぎる夫婦や、依存している夫婦は、不満や不安が多くストレスレベルも高い傾向があります。
仲睦まじい夫婦関係を望むのであれば、まずは自分自身を大切にし、満足させることが効果的なのです。

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講師プロフィール

高草木 陽光(たかくさぎ・はるみ)

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夫婦問題カウンセラーとなり、11年間で約9,000人のカウンセリングを行う。「直そうとしないで、わかろうとするカウンセリング」をモットーに、夫婦問題で悩みを抱えている人の心に寄り添いながら、解決への糸口に向けてお手伝いをしている。
美容師、育毛カウンセラーを経て、結婚を機に専業主婦となったが、夫の束縛や価値観の押し付けに違和感を覚え、「結婚生活とは何か」ということを深く考え始める。「離婚カウンセラー」という職業があることを知り、自分たち夫婦だけでなく、夫婦関係で悩んでいる人たちのために必ず役に立つと確信し、2009年に「NPO法人日本家族問題相談連盟」の認定資格を取得。【メディア実績】
・NHK総合「ニュース シブ5時」「あさイチ」
・フジテレビ「ホンマでっか!?TV」「ノンストップ!」「バイキング」
・TBS「ビビット」「グッとラック!」
・テレビ朝日「羽鳥慎一 モーニュングショー」他。
【著書】
・なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか(左右社)
・心が折れそうな夫のためのモラハラ妻解決BOOK(左右社)

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