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あれ、リーキーガット(腸が漏れている)かも?

健康管理士一般指導員の國重です。
ちょっと知るだけで、健康につながる情報をお届けいたします。
 
前回の副腎疲労ですが、回復するのに少し時間がかかります。
ということでもし、「副腎疲労かな?」と思ったら一緒に行っていただきたいのが腸内環境の改善です。
 
・食後に急に眠気がでてボーッとしてしまう。
・いつも下痢ぎみで、お腹の調子がすぐれない。
・お肌が痒くなるなどお肌の調子が悪い。
・何もしていないのにすぐ疲れる。
・原因不明の頭痛になる。
・病院に行っても原因不明といわれてしまった。
 
そんな時、最初に行って欲しいのが腸内環境の改善です。

 ■腸内環境が悪くなると免疫低下だけじゃない

小腸は、体に必要なものは吸収します。
また、体に不要なものや毒性のあるものは吸収しないようにできています。
 
しかし腸内環境が悪くなりバリア機能が低下していくと、腸から漏れが始まります。
 
加齢やストレス、飲酒や小麦(グルテン)などにより腸内のバリア機能が低下すると、本来吸収しない老廃物や未消化物、微生物や細菌などが腸漏れにより血液中に入り込み体中に運ばれます。
そうなると、原因不明の体調不良だけではなく、自己免疫疾患やアレルギーや炎症・動脈硬化・うつ・認知症などがいろいろな場所で起こる不具合の原因がリーキーガット(腸管壁侵漏)という状態です。

■病院じゃ見つからないリーキーガットに注意

腸管上皮細胞のバリアは、有害なものを体内に入れないように細胞と細胞をタイトジャンクションというたんぱく質で強力に結合させています。

このタイトジャンクションが何らかの原因で緩んでしまうと、腸内の異物が体内に入ることが出来るようになり、リーキーガットになってしまうのです。
 
腸内環境の悪化から始まり、悪玉菌が増加し、食べたものの腐敗が始まりガスが発生し細胞を傷つけます。
偏食による栄養不足睡眠不足も上皮細胞の新陳代謝を妨げていき腸管上皮細胞のバリア低下を招いてしまいます。

このリーキーガットは、異物が血管を通して門脈から肝臓に運ぶため肝臓疲労や肝臓の炎症に繋がっていきます。
肝臓は解毒を行う臓器ですので、本来の仕事ができないと慢性疲労や、胆汁酸が十分に作られないなどのいろいろな影響が出てきます。
 
また、腸の炎症は、脳の炎症につながる可能性もあります。
うつや、認知機能の低下などの精神症状の可能性もあるのです。
 
前回の低血糖の話でも出てきた、コルチゾール(抗ストレスホルモン)も炎症の火消しを行いますので、出すぎると副腎疲労の原因にもなります。
ということで、心当たりがある人はリーキーガットを放置しないでください。
 
まずは、気をつけたいのが小麦です。
小麦のグルテンは腸の中で分解されるとグリアジンという成分ができます。このグリアジンが腸管上皮細胞に結合するとタイトジャンクションを緩めてしまうのだそうです。
また大量のアルコール高脂肪食、乳製品のカゼインも同じような報告がありますので要注意ですね。

■リーキーガットを治す方法は食事とストレスを減らすこと

自分でリーキーガットのチェックする場合は、

・鼻炎や花粉症などのアレルギー症状がある。
・小麦、お酒、甘いもの、乳製品が好き。
・白血球が高め(5000/μℓ以上)。
・遅延型フードアレルギー検査が陽性。
 
これらが2~3つあればリーキーガットの可能性ありです。
 
腸内環境の改善のためにまずは小麦、アルコール、甘いもの、乳製品は避け、乳酸菌などの善玉菌が増える腸内環境のための食事や、水溶性食物繊維・発酵食品・たんぱく質・ビタミンA・D・B・亜鉛・マグネシウムが摂れる食事を心がけましょう。
 
グルタミンは小腸粘膜のエネルギー源のアミノ酸で、魚の刺身や生卵に豊富に含まれています。
オメガ3の脂肪酸(DHA・EPA・アマニ油など)もタイトジャンクションを形成する時に必要です。
水溶性食物繊維を摂ると腸内細菌により短鎖脂肪酸が合成され腸管バリアを維持するのに役立ちます。
 
ごぼう、アボガド、納豆には、水溶性・不溶性食物繊維が多く含まれています。オクラやモロヘイヤ、海藻類も水溶性食物繊維が豊富です!
積極的に摂っていただきたいので「味噌汁に海藻入れました」というよりも、「海藻サラダ」を食べるくらいの量がおすすめです。
 
ビタミンとミネラルは、毎日必要量が欲しいのでサプリでもOKです。
また腸の炎症にはシソを毎日2~3枚食べるのもいいそうですよ!

まとめ

・食後の急な眠気、お腹の不調、肌の痒み、鼻炎・花粉症、原因不明の頭痛が続く場合は、まず腸内環境を見直す。
・リーキーガット(腸漏れ)は、腸内環境が悪くなりバリア機能が低下することが原因。
・リーキーガットを治すには、食生活を見直してストレスを減らすこと。
・ごぼう、アボガド、納豆、オクラやモロヘイヤ、海藻類を積極的に摂る。
・腸の炎症にはシソを毎日2~3枚食べるとよい。


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