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桜田山存明寺

ぶらっと寺町 講義3|講師:カツさん
桜田山存明寺

*ココカラ大学にて2018年8月〜掲載していた内容を移設掲載しています。

親鸞聖人の教えが息づくお寺、桜田山存明寺の「しんらん交流ひろば★樹心の会」に参加しました。

今回は、存明寺の活動として月に一度開催される「しんらん交流ひろば★樹心の会」があると聞き、「百聞は一見にしかず」と私(カツさん)が勉強会に参加。体験レポートをご紹介します。

その前に、存明寺について簡単にご紹介。

1.存明寺(ぞんみょうじ)の成り立ち

真宗大谷派に属し、本山は東本願寺。
山号は桜田山、正式には「真宗大谷派 桜田山 存明寺」。

山号の意味は第2弾 幸龍寺の紹介の時にお伝えしたように寺院の名の上につける別称です。そのためフルネームは桜田山存明寺となります。

正保4年(1647年)に武蔵国豊島郡桜田(旧江戸城桜田門の近くにある現在の警視庁)に建立されました。開基は、願龍法師(俗姓は酒井氏)。

その後芝金杉、麻布に移転。関東大震災によって1927年11月に烏山に移転。

建立以来約370年の間、親鸞聖人の教えを伝える道場として、人々と共に歩み続けています。宗祖は親鸞聖人。
本堂の右側に親鸞聖人が祀られています。

教え:本願を信じ、念仏をもうさば仏になる(歎異抄12章)

(意訳)
「あなたを決して見捨てない」という仏様の願いを信じ、仏様からの呼び声を聞きながら、自分が自分の人生を生きぬいていく主体者となる。
念仏は南無阿弥陀仏。(※1)

本堂の正面

本堂は、八間四方の広さがあり(計算すると128畳に相当)、5百有余年の伝統ある名古屋の堂宮大工・伊藤 平左衛門さんによって造築されました。
昭和3年3月25日に落慶法要が営まれ現在に至っています。(※2)

では、本堂の中をご覧ください。
今回は特別に写真撮影を許可していただきました。
御本尊である阿弥陀如来様が祀られています。

<拡大図>

2.体験レポート 心をつなぐ交流の広場として

ご住職は「心をつなぐ」様々な活動をされていますが、その1つである「しんらん交流ひろば★樹心の会」は「親鸞聖人に人生を学ぶ」広場として近隣からも遠方からも、毎回30名以上の老若男女が参加されるコミュニティーです。

どうして皆さんがお集まりになるのか?また何をされるのか?ちょっと知りたくて、わたし(カツさん)は9月と10月の2回参加しました。
存明寺様のホームページの「行事のご案内」を見て事前に連絡を入れましたが、当日の飛び込み参加もできます。

今回は9月8日(土)の体験レポートを中心にお伝えします。

まだ残暑と言える蒸し暑い日。
受付で名前を書いてそのまま本堂に入ります。

こちらが本堂です。約30名程参加されました。椅子席の用意があります。

スケジュールはこちら
13:30 1)受付・声明練習
14:00 2)仏教儀式の時間(正信偈のお勤め)
14:40 3)お話の時間
15:40 4)語らいの時間
16:40 5)全体報告会
17:00 6)閉会(予定)

1)まずはじめに、声明練習として読経が行われます。

経本は2冊。声明練習で使用した経本です。

(赤い経本)真宗大谷派 勤行集
(青い経本)門徒 報恩講勤行集

(親鸞聖人のみ教えに生きる私たちが聖人のご苦労に感謝し
ご恩に報いるために勤める最も重要な法要儀式)

読経は休みなしでほぼ20分。
教本のふりがなを追っての声出しで、一心不乱の体力勝負。

2)次に仏教儀式の時間。

親鸞聖人作の正信喝のおつとめをします。

こちらも教本をもとに読経と歌があります。賛美歌のように音符のついた歌があるんです。合掌ではなく合唱します。

本堂でのおつとめが30分ほどで終わった後、お部屋に移り少し休憩(ティータイム)。

読経では腹筋を使い、喉もカラカラ。
お茶菓子のカステラとアイスクリームを頂きホット一息、本当に感謝です。

これからが本題。

3)「お話の時間」

「お話の時間」とは、参加者の中から順番に、自分への気づき、他者への思い、世の中の不条理など感じたことを皆さんの前で本音の自分を打ちあける「時間」です。

そのあと、「語らいの時間」として、参加者がグループ別に分かれて、その「お話」から個人の思いと照らし合わせながら話し合いをします。

今回の当番は年配の女性。

テーマ「世の中 想い通りにならないことばかり そのことが私に 大切なことを気づかせてくれる」

自分の思い通りになることが幸せと思い、都合のいいように生きたいと願っていたが世の中、思い通りにならないことばかり。
そのことが私に、大切なことを気づかせてくれる機会になった。
とのお話です。

次にテーマに関連してご住職のお話が始まり、その中から経典のお言葉をいただきました。

諸苦毒中 たとえ諸々の苦しみや毒のような状況に身を置いたとしても、
我行精進 それをわが人生として、ていねいに、そして大切に生きて
忍終不悔 忍んで終に悔いのない人生を生きるものでありたい。
法蔵魂 嘆仏偈(たんぶつげ)釈尊より(※2)

4)「語らいの時間」ではグループ毎に、このテーマをどう思うか話し合います。

参加者の方から、「ここでこうして語り合うことで、ぶれた自分を取り戻せる大切な時間です。」

「社会に出ると間違っていると思いつつ見過ごしている自分がいるもの、だからこちらに来て軌道修正して俗世間に戻ります。」この言葉、感じ入りました。

こちらが語らいの様子

5)全体報告会

一同が集まり、グループで話し合った事柄を報告。

6)閉会。

開始から約3時間30分で閉会となります。

3.カツさんの感想です!

今回勉強会と聞いてノートとペンを持ち、親鸞様の教えを筆記するつもりでいざ出陣と思いきや、声を張り上げ無心に読経。
気がつけば20分はあっという間。

「漢文」以来の漢字の羅列にちょっと苦戦。
しかし声をあげて必死に読経することで無心になった自分を感じ、ふと邪念に満ちた心の開放感を感じた瞬間でした。

また、「お話の時間」で忘れていた自己を見つめる機会も得て、「振り返って自分と向き合う時間」の大切さを感じました。

4.インタビュー<存明寺の支援活動とご住職の素顔>

存明寺では、これ以外に、3ヶ月に一度グリーフケア(大切な方を無くされた深い悲しみに寄り添った集い)、さらに月に1度 子育てサロン いちごの部屋(新米ママさんが心の悩みを分かち合える場)など心の支援活動に取り組まれています。

ご住職は1959年生まれの、とっても若々しくソフトな方でした。
詳細な活動を知りたい方はホームページの「動画」をご覧下さい。
支援活動、行事について実際の活動の様子が見られます。

ここでちょっとご住職にインタビュー

===

Q:何代目になられますか?
A:12代目です。

Q:では、子供の時から住職への道が決まっていたと言う事ですか?
A:実は全くお寺に興味がなく、小学校から大学まで普通の学校に通っていました。

Q:ちなみに大学は何学部ですか?
A:経済学部です。

Q:「エッ!」では住職になろうとお寺の学校に行ったのは?
A:大学卒業後、大谷専修学院に2年通って学びました。そこで目一杯勉強をしました。

Q:ホームページを拝見しても、お寺としての活動以外にご自身で支援活動(グリーフケア、子育てサロン、しんらん交流ひろば)そして個人的に東日本大震災へのボランティアもされていますが、きっかけは?
A:お寺の学校の先輩の影響かもしれませんね。先輩の姿を見て自然と自分もしたくなったと言うのが本音ですか。

Q:これだけ幅広い活動をされていると奥様のご協力は必死ですね。
A:子供が大きくなった今では、家内が積極的に協力をしてくれています。

Q:そうですか。今回集まりに参加して、奥様が受け入れのためのお掃除、受付からティータイムの準備、片付け、参加者へのご対応は大変なものと拝見しました。1日がかりですし、結構体力も必要かと。
A:感謝しています。

===

以上、女性目線で気になっていたことをお聞きしてみました。
ご住職と奥様、ご協力ありがとうございます。

5.桜田山の桜です!

さて、山門に入って左手に大きな「桜の木」が目に入ります。

山号が桜田山というようにこちらの桜、年季が入っております。

桜の写真

桜の時期は必見。

ご住職のお計らいで、開花期間に夜はライトアップされ桜が神々しく光って見えます。
正門が閉まっていても外から見えます!

では長くなりましたが、「ぶらっと寺町」存明寺編でした。
この機会に是非烏山の寺町へぶらっと来てください。

《出典および参考資料》
※1 存明寺ホームページ https://zonmyoji.jp
※2 烏山寺町 世田谷区立郷土資料館編集
※3 親鸞聖人に人生を学ぶー 資料 経典の言葉より引用
    法蔵魂 嘆仏偈(たんぶつげ)釈尊より

<カツさんからのコメント!>
素人の寺町特集。ちょっと歴史を踏まえ、「お寺の改築」から「御紋」について、また「こころの支援活動」の様子までお伝えしましたが、楽しんでいただけました?

ただ外から覗くだけでなく、それぞれのお寺様の取り組みを知ってみたいな!そんな思いから直接お寺様にお話を伺って企画しました。

寺町企画という事で、突然のお寺様の訪問にも皆様快く対応して頂き、お話を伺うことができました。
改めて常栄寺様、幸龍寺様、存明寺様のご協力に感謝申し上げます。

一旦このシリーズはここまでですが、引き続き「ココカラPark」をよろしくお願いします。

***

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講師プロフィール

ココカラPark編集部
カツさん

「ぶらっ」と歩いてお寺巡り!
今回「ココカラPark」編集部からお届けする新企画は「ぶらっと寺町」です。
「ぶらっと寺町」では、街の中にあるお寺を特集します。

いつも見慣れた街の風景もちょっと視点を変えて歩くだけで、新しく気づくことってあるものです。
そういえば街の中にお寺を必ず目にすることはありません?
散歩コースとして旅行雑誌でよく目にするのがお寺巡りです。
でもわざわざ旅行に行かなくても、住まいの周辺にお寺があることに気づかされます。
そこで、ちょっと余談。
お寺の数はコンビニの数より多いって知っていました?(※1、2)
歴史を辿れば、権力の象徴から民衆の救済のために建立されてきたお寺。
街の中にあるお寺を、あらためて歩いてみませんか?
そこには街の中に根付いてきたお寺の歴史と営みがあります。
ナビゲーターは私、「ココカラPark編集部のカツさん」が担当します。
それでは、歴史を紐解きながら、カツさんと一緒に“ぶらっと”お寺を散歩してみましょう。
注記)
※1 文化庁 宗教年鑑 平成29年版
※2 コンビニエンスストア統計調査月報 2018年7月度


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