「塩」は生命維持に欠かせないもの!自宅のお塩を見直そう。 〜悪者にされがちなお塩、塩の選び方でこんなにいいことが!?〜
やずや社員歴19年。健康管理士一般指導員の國重です。ちょっと知るだけで、健康につながる情報をわかりやすくお届けしていきます。
前回の「血圧のお話し」の後「塩に気を付けた方がいいんですね」よくわかりました!と声をかけていただきました。これはヤバイ!(誤解させてしまったかも)という事で、今回は「塩の摂り方」について考えてみます。
前回の記事で、「塩は摂りすぎたらいけない」と思った方、言葉足らずでした。すみません。
確かに厚労省も塩分の目標量は成人男性 8g未満、成人女性 7g 未満、摂り過ぎに注意するように呼びかけていますね。でも正確には「塩分を減らしましょう」ではなく「自宅の塩を『天然塩』に変えましょう」というお話です。
それは「塩化ナトリウム」です
食塩で血圧が上がる人は「食塩感受性」タイプと考えられています。と前回説明しましたが、正確には「塩」という名前の塩化ナトリウム 99% の「精製塩」の摂りすぎがよくないのです。
塩の種類は大きく「精製塩」「再製塩」「天然塩」の3種類があります。「精製塩」は電気分解でナトリウムイオンを抽出して99%塩化ナトリウムとなった大量生産向けの塩です。「再製塩」でよくあるのは海外の天然塩を洗ってニガリなどを添加しているものです。「天然塩」は天日塩、岩塩、湖塩などです。「天然塩」でよくあるのは塩田で天日を使って海水から水分を飛ばして塩を作る方法。「天然塩」はナトリウム+マグネシウム+カリウム+カルシウム+鉄+銅+亜鉛などミネラルバランスがとれた塩です。ここがポイント💛
塩が必要なわけ
熱中症になりそうな時に水と塩分を摂るといいといわれています。
これは汗をかくと水分・塩分・ミネラルが汗とともに奪われるからです。そこに水分だけを摂り入れると、体内の塩分・ミネラル濃度はどんどん低下していくため、塩分・ミネラル濃度を下げないために体は排水を行い始めます。そのため水分だけの補給は塩分不足・ミネラル不足の熱中症の症状を引き起こすといわれています。
ここで大切なのは塩分の濃度、体の中では、ナトリウム濃度は一定なのです。ちなみに塩分が不足すると食欲低下、倦怠感、筋肉のけいれんなどを引き起こすこともあります。ナトリウムは体内では伝達物質なのです。脳から 電気信号が出て神経細胞を伝わっていく時に必要なのが、ナトリウムイオン。塩の無い生活は体調不良の元なのです。動物園にいる草食動物の牛や鹿も塩を舐めています。草類にはナトリウムが少なくカリウムが多いので塩を舐めて体内のナトリウムを調節しているのです。ちなみに、血液、羊水、海水はミネラルの組成がよく似ているそうです。本題の「天然塩」をおすすめするのはこれが理由です。
細胞膜は浸透膜
細胞は水と電解質でできています。そのためナトリウムが増えて濃くなると、細胞膜の浸透膜を利用してナトリウム濃度を下げようとします。そのため、ナトリウム濃度を下げるために細胞内に水を引き込みます。これが味の濃い食べ物を食べた次の日の「むくみ」です。
同じように血管にナトリウムが増えると、体内の調整のために血管内に水分が増えていきます。前回のおさらいですが、血液量が増えるという事は「高血圧」に近づくという事になります。やっぱりナトリウムはよくないと思いがちですが、クジラやイルカは高血圧じゃないんですよね。海水は、ナトリウムだけではなく、マグネシウム、カリウム、カルシウム他のミネラルのバランスがとれているからです。このバランスが「精製塩」である塩化ナトリウムを摂ると崩れてしまうのです。ナトリウムは摂らないといけないのですが、カリウムも一緒に摂ることでナトリウムを排出することができます。体内のミネラルバランスを整えてくれるのが「天然塩」なのです。ちなみに赤ちゃんの肌が、ムチムチなのはコラーゲンではなくミネラルのおかげ。羊水の中はすべてのミネラルがそろっているため、細胞内のミネラルも十分満たされています。浸透膜を通して水分が満たされておりムッチムチなのだそうです!うらやましい❤️